2016年01月05日

五十嵐大 リターンズ 7

 必死に学校まで、愛の逃避行をしたのに、大は・・・結人に、手を出せなくなった。

 それは、

 要は放送室を占拠すると、マイクのスイッチを入れ、校内放送を流した。
「日向結人を拉致したヤツがいる。名前は、五十嵐大。そいつを捕まえた学生は、今学期のテストを、すべて免除してやる」
 学園の王様:九条要。

 誠志は、生徒会室のコンピュータから、学園のセキュリティシステムに、入り込んだ。
 監視カメラの映像が、次々に、モニターに映し出される。
「さて、楽しい狩りの時間だ。せいぜい、楽しませろよ」
 悪の天才ハッカー:香守誠志。

 密はジッと、虚空を見つめ、そして、ゆっくりと歩き出した。
「結人の感じがする。こっちだ」
 直感で生きる男:朝霧密。

 泉介は、廊下を全力で走っていた。
「なんやわからんけど、オレが一番やでー」
 俊足のスプリンター:赤井泉介。

 類は、携帯電話を取りだし、GPSを起動した。
「兄貴の携帯は、どっこかなぁ」
 現代の申し子:五十嵐類。

「あれ?要さんの声がする。放送かな?ねぇ、大ちゃん。どうして、トイレに隠れるの?かくれんぼはじまったの?」
 我らが天然お姫様:日向結人。

「二人っきりになれる場所が、他にないからだよ、結人・・・」
 そして、愛の逃亡者:俺こと五十嵐大。

 彼らの力が結集した結果、大は、結人に手を出せなくなった。

 なんていうか・・・ここを出た瞬間、いきなり、ゲームオーバーしそうだ。
 大は、学校の個室トイレに、結人を連れて隠れていた。
 せっかく、愛しの結人と二人っきりなのに、汚いトイレにいないといけないなんて。
 いや、学校のトイレにしては、ずいぶんきれいだ。
 ウォシュレットまで、ついていらっしゃる。
 しかも、温水とは、金持ちの学校ってば、トイレまでイヤミだ。
 快適じゃないか。
 それでも、結人との初デートは、もっとおしゃれなカフェとか、噴水のある公園とか、潮風香る海辺とかに行きたい。
 そんな場所で、あははとか笑いあいながら、ちょっとずつ、手と手が偶然触れ合ったりして、互いを意識し始めて、自然に距離が近づく感じが、いいのに!
 理想なのに!
 夢なのに!
 何度も、妄想したのに!
 なのに、なんなんだ、この状況は!
 神様は、大事な初エッチを、便所でしろって言ってるのか?
 俺の青春メモリーに、傷をつけるのか?
 理想と現実は、違うと言っているのか?
 神が与えたもうた、試練なのか?
 俺は、結人への愛を、試されているのか?
 男子トイレの個室でとか、AV感半端ないですけど・・・。
 いや・・・それも、ちょっと・・・萌えるけど。
 でも、初エッチは、人生に一度きりだ!!
 そういうプレイは、何度も色んなエッチを試してからがいい!!
「ぬぬぬ・・・!!」
 大が一人葛藤していると、便座にちょこんと座っていた結人が、立っていた大を見上げてきた。
「大ちゃん、おれ、お腹すいた・・・」
 結人のかわいいお口の位置が、ちょうど大の股間の高さにあっていて、これは、いわゆるアレができそうで、かなりときめくが、今は、そこに反応している場合じゃない。
 結人に、ひもじい思いはさせられない!
 俺は、好きな子の願いを叶える、ジェントルマンだ!
 今こそ、男の甲斐性を見せる時だ!!
 結人は、俺が養うんだ!!
「となると、食堂か・・・」
 前に来たときに、勝手に歩きつくして覚えている学園の配置図を、頭に描いてみる。
 この包囲網、突破できるのか?
 食堂まで行くのは、かなりの難易度だぞ?
 ムリゲーと言わざる負えないぞ?
「しかーし、愛の狩人は、負けるわけにはいかない!!恋人結人の願いを叶え、惚れてもらうのだ!!そして、念願のチューを、ゲットするのだ!!もち、ディープでね!!」
 結人にポーズを決めて見せた、大。
 だが、結人は、きゅーっくるくるぐーとかわいく鳴くお腹を押さえて、うつむいて、寂しそうに「ハンバーグ・・・」と、呟いていた。
 うん♪結人、聞いてない。
 俺の言葉は、いつも届かないのね・・・。
「いいさ!勝利の美酒は、勝ってこそ、うまいものだ!ともに、恋人になった暁のハンバーグを食べようね!」
 いざ、戦場へ!!


posted by ちぃ at 01:23| Comment(0) | 【小説】五十嵐大 リターンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

五十嵐大 リターンズ 8

 包囲網は・・・鉄壁でした・・・。
 く、くそう・・・!!


 大は、すぐに見つかったため、結人の腕をひき、必死に走ったが、脚の遅い結人を連れては、逃げられなかった。
 あっという間に、追い詰められてしまった。
「さて、結人を返してもらおうか?」笑顔でキレる、要。
「日向、戻ってこい」タバコふかしながら脅す、誠志。
「結人、返せ」無表情に威圧する、密。
「結人ー。遊ぶでー」よくわかってないけど、結人と遊びたい、泉介。
 ここまでは、結人を守る、明徳学園生徒会の日常風景。
「兄貴、なっさけないなぁ」呆れて、血のつながった兄を笑う、類。
 おまけの、弟。
 そして、必死な、兄。
「ゆ、結人は、渡さないからな!!」
 結人を守るように、大は結人をその背でかばったが、天然結人は、ふらふらと、自分から出て行ってしまった。
 い、行かないで、結人ぉぉぉ・・・。
「かなめさぁん。おれ、おなかすいた。ハンバーグたべたい・・・」
「結人、大丈夫だぜ。ハンバーグチケットやるからな」
 要は、制服のポケットから、紙の束を取り出した。
 お金のない結人の為に、要が職権乱用して作った、結人専用の、食堂のタダ券だ。
「プリン券も、つけてあげるからね♪」
「わーい!」
 結人の目が、きらきらしている。
 さっきまで、俺と一緒にいた時には、見れなかったキラキラだ・・・。
 くそお!結人を、物で釣りやがって。
 疑う心を知らない結人の、純粋さを利用しやがって。
 させねぇ!させねぇ!!
 結人のかわいいピーは、俺のモノなんだぁぁぁぁぁぁぁ!!
「お、お前ら!!俺の結人を」
 なんとか、結人を取り戻そうと、大が口を開いた時だった。
 前回、大にとどめの一撃をくらわせた誠志が、言葉を発したのは。
 いや、正確には、結人を自分の物だと言った大の言葉が、気分屋の誠志の逆鱗に触れたのは。
「・・・そう言えば、以前、日向を勃たせることもできないヤツがいたな」
「うっ!」
「俺達が触ったら、すぐに勃つ日向だというのにな」
「うっ!」
「しかも、セックスどころか、好きな相手に食事もあげられず、養うこともできないとはな。男として、終わっているな。まあ、誰とは言わないが」
「・・・うう・・・!」
 でも、でも、今回は、結人を感じさせることはできた(ジャマされたけど)と、反撃しようとしたら、思わぬところから、痛烈な攻撃をされた。
 類だ。
 弟だ。
「えー、マジ?そんな終わったヤツいるの?まさか、兄貴じゃないよな?」
「う、うわーん!!」
 大のプライドは、またもや粉砕され、大は悲しみの涙を流しながら、走り出した。
「くそー!!覚えてろよなー!!」
 ・・・もう、夕日に向かって走るしかない。
 が、大はきびすを返して、結人の隣をちゃっかり確保して、なぜか兄を見送っている類を引っ張り、そしてまた、走り出した。

 次こそは、結人を手に入れてやるからな!


 って、次かぁ。
 今回は、前より結人の色んな所に触れたし、今度は、キスとかできるかも。
 いや、それ以上も・・・。
 ぐふふふふ・・・。

 大の妄想はふくらむ。



 五十嵐大物語、第3話。

 五十嵐大ファイティングで、今度こそ、結人とラブラブエッチ、してやるぜ!

 またくるからな!
 忘れるなよ!!

「じゃあ、俺もこよっと」
「類!お前はくるなーーーーー!!」


 ちなみに、五十嵐兄弟は、4兄弟。
 好みは、バッチリ、一緒。
 一目ぼれしやすいのも、一緒。
 どうなることやら。



※五十嵐大物語、第3話を書く予定は、今のところないですww
 時間ができたら、書きたいなとは思ってます☆


posted by ちぃ at 01:26| Comment(2) | 【小説】五十嵐大 リターンズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月07日

要がお酒を飲むとどうなる? 1

読者様から、要がお酒を飲むとどうなるか見たいとの
リクエストがあったので、書かせていただきました(^▽^*)♪

※未成年者は、飲んではいけません。
 この小説は、あくまで、フィクションであり、
 未成年者の飲酒を推奨するものではありません。

さてさて、九条要君は、お酒を飲むとどうなるのか、
お楽しみくださいませ♪( ̄▽ ̄)ノ"


『九条要がお酒を飲むとどうなる?』

 第一生徒会室は、今日は、

 酒・盛・り・日☆。

 といっても、飲んでるのは、要と、「一人で飲むの寂しい」と要に言われ、仕方なく付き合わされている誠志だけ。
 他のメンバーは、おつまみ代わりのおかしを、もぐもぐしていた。
 結人が、もぐもぐ。
 密も、もぐもぐ。
 泉介も、結人のお菓子をとったりしながら、もぐもぐ。
 要と誠志は、グビグビ。


 なんで、こんなことになったかというと、最近、休む暇なく仕事をしていた要が、
「息抜きしたい!!疲れた!!呑ませろ!!ストレス解消だ!!」
 と、突然叫んでキレたのが、始まりだ。
 ・・・いや、学校で、お酒を飲んでは、いけません。
 ・・・というか、学生が飲んだら、いけません。
 先生に見つかったら、当然、怒られる行為です。
 でも、学園の王様であり、学園の最高権力者の九条要がいれば、なんだって、許される。
 要が、校則だ。
 要が、法律だ。
 そんなわけで、要は、堂々と、生徒会室で飲んでいた。
「要さんって、お酒すきなんですか?」
 与えられたらなんでも食べる結人が、いか焼きをもぐもぐしながら、ポテトチップ片手に、きょとんとして、聞いてきた。
 おつまみは、要特製のものが、大量に置かれていた。
 料理も、要の貴重な息抜き。
 ストレスが、きっと、怨念のようにこもっているけれど、天才肌の要が作ったものは、どれも美味だった。
 そんな要は、料理作りまくって、お酒飲みながら、かわいいもぐもぐ結人が見れて、ご機嫌だった。
 キレモードは、終了したようだ。
「オレ、酒好きなんだよな。甘いのも辛いのも、好き」
 要はけっこう強いので、昔(え?秘密だぜ☆)から、よく飲んでいた。
 梅酒・日本酒・焼酎・ビール・ワイン・カクテル・洋酒などなど、なんでも飲む。
 薄めたりせず、ロックでグイッと飲む男前さを、いつも発揮する。
 かっこつけているわけじゃなく、薄めてない本来の味が、好きだった。
 ただ、それに付き合わされてきた数々の経験で、誠志は知っている。
 要が酒を飲むと、どれだけ、やっかいか。
 なので、要に、ロック10杯飲んだら終わりの、命令を出した。
 その量なら、要は酔わない。
「ちぇ・・・。つまんねぇな。誠志のオカン気質!口うるさい!テメェは、オレにいっつも、ああしろこうしろって、お前はオレの、ママンか?教育ママか?なら、女装するか?そのごっつい体で、フリフリ新妻エプロン着てみせろよ」
 そんなことを言うから、誠志にギロッとにらまれたが、要は気にしない。
 しれっとしながら、次に何を飲もうかな~と選び出したが、誠志に警告を出された。
「次で、最後だからな」
「えー」
「甘えた声を出しても、それ以上は、許さないからな」
「ムカ。自分は、飲んでるくせに」
 舌うちしながらも、しぶしぶと、最後の1杯を何にするか考えていたが、
(飲み足りないなぁ。んーと)
 要はふと、あることを思いついて、にやっと、いたずら直前の顔をした。
 この顔をした時の要は、要注意だ。
 必ず、何かやらかす。
 天性の頭のよさを、悪い方に使いだす。
 今回も、当然、やらかした。
 要は、目の前にあった一升瓶を、ガシッとつかむと、そのまま口をつけて、一気飲みした。
 それはもう、男らしく。
 持ち前の男前さを、全開にして。
「おい、要・・・」
「約束通りの、10杯目だぜ☆」
 コップ一杯とは、言われてない。
 誠志が、頭を抱えて、ハァとため息をついた。
「要・・・。どうなっても、知らないからな」
「んー?」
「お前が日向に嫌われても、自分の責任だからな」
「んー?」
「酔ったな・・・」
「んー?」
 要が、変な受け答えを、始めた。
 そして、要の酔っ払いタイムが、始まった。
 第一生徒会メンバー全員が、二度と要に飲ませたくないと思う時間が・・・。