2016年01月07日

要がお酒を飲むとどうなる? 8

 犬になった要が、ニコニコデレデレしながら、ぎゅっと抱っこした結人に、お願いを始めた。
「ゆーいと」
「えと、はい、なんですか、要さん?」
「オレの頭、なでて!」
「あ、はい。えっと、こうですか?」
「うん!もうちょい、右もー」
「はい。なでなで」
「左もー」
「えっと、ここかな」
 目を細めて、うれしそうに笑う要は、まさに、犬だった。
 ご主人様に、甘えていた。
 なのに、
「結人、うれしいな。だからね」
「はい?」
「オレと、やろうぜ!」
「わ!」
 結人はまた、要に押し倒されていた。
「ま、また、要さんが、変わったー!」
「オレの結人への愛は、変わらないぜ!永遠で、無限だ!」
 結人に、また、ちゅっちゅっと、要がキスの嵐を始めた。
 攻めモード開放。
 最初の状態に、ふりだし。
 せっかく着込んだ制服も、また、脱がされ始める。
 たっぷり、優しく、甘く、愛撫されながら。
 そんな、不思議なほのぼのイチャイチャ攻め攻め光景に、誠志は呆れながら、やっと巡ってきたチャンスと、きびすを返した。
「日向は、そのまま、要と遊んでいろ」
「え?え?香守先輩は?」
「お前をエサに、消えさせてもらう」
「ええ!!」
 押し倒されて、キスされながら驚く結人を放置して、誠志は生徒会室を出て行こうとした。
 その後を、密と泉介も、歩き出した。
「ひ、密たちも、にげるのー?!」
「要が、うれしそうだ。要は結人と遊びたい。だから、俺は行く」
「結人ぉ、かんにんや。今日の会長はんは、あかんで」
「そんなぁ・・・」
 結人の嘆きもむなしく、誠志たちが生徒会室のドアに、手をかけた。
 その瞬間、
「オラァァァァ!!」
 いつの間にここまで来たのか、要が盛大に回し蹴りをぶちかまして、開きかけたドアをムリヤリ閉めた。
「どーこ行くんだよ?お前ら」
 要が、仁王立ちで、3人の前に立ちはだかった。
「オレの大事で、大好きなヤツラが集まってるってのに、オレのパラダイスなのに・・・・・・逃がすかよ」
 長めに伸ばした前髪からのぞく、要の鋭い眼光。
 すさまじい闘気を放つ、オーラ。
 要は、最強最悪無敵不敵な攻め攻めツンツン王様モードに、入っていた。
 王様のハーレムから、誰一人逃がす気はない。
「もっと、オレと・・・遊ぼうぜぇ?」
 ニヤァッと、要が口の端をあげて、フフフと笑った。
「仕方ないな・・・」
 誠志がメガネの中心を押しあげながら、そう呟いた。
 諦めるためではなく、要を倒すために。
「おい、密、泉介。要の好き勝手にされて、受けになりたくなかったら、やるぞ」
「要に勝てるのか?」
「副会長はん!会長はんの殺気、恐ろしいで!」
「要は、暴れて、酒がまわれば、大人しくなる。それまで・・・耐えろ」
 ヒョォォォっと音がしそうなほど、圧倒的なオーラを放つ要の前に、誠志・密・泉介が複雑そうに立った。
「あれー?オレの大好きなヤツラが、オレと遊んでくれるみたいだな?うっれしいな☆ほんじゃ、全力で、楽しませてもらおうか!!」
 要のこぶしが、壁を打ち砕いた。
 とっても、とぉーっても、楽しそうに。
 同時に、脱がし魔&攻め男の血を、熱く熱く、たぎらせながら。

 生徒会メンバーの初めての、共闘は、悪の生徒会長を倒すだったとか・・・。

 そして、激しい王様ツンモードの後に、反動のようにおとずれた、激甘デレっ子モードも、とてもとても、口では表せないほどに、恐ろしかったとか・・・。


「むにゃむにゃ~。ゆーいと、すきー」
 要が、床に寝そべって、幸せそうな寝言を発した。
 破壊しつくされた生徒会室の真ん中で、愛を叫んでいた。
 疲れ果て、ボロボロにされ、要に脱がされ、色々と、攻めキャラ男としては言えないようなことで、要にたっぷり楽しまれた生徒会メンバーに、囲まれながら。
 ようは、暴れて、酔って、寝たのだ。要は。
 これが、酔っ払い要を鎮める、唯一の方法。
 酔っ払い要から、貞操を守る最後の手段。
 それは、壮絶な戦いだった・・・。


 これが、生徒会メンバーが、要にもう二度と、酒を飲ませたくないと思った日の出来事。

 そして、九条要、暴走行為の為、1か月禁酒生活スタートの日ともなった。


結論
 九条要は酔うと・・・
  普段抑えこんでいる、色々な属性が解放される。
  やりたくなる。(脱がす。キスする。その他色々)
  総攻めになる。
  とりあえず、やっかい。


そんな九条要君と、飲んでみたい勇者さまは、挙手お願いします☆


※この続きではないですが、
 お酒入り要のエチが、深淵の『王様と奴隷』にあります( ^◇^)ゞ
 誠志×要です。

要がお酒を飲むとどうなる? 7

 誠志が、要を鋭い目で、睨み付けていた。
 生徒会副会長・・・別名、鬼畜メガネ男が。
 破壊系能力を、制御できなくなって、生徒会室を破壊している要を、視線で殺すかのように。
「ハッ!!」
 酔っ払い要が、何かの殺気を、強烈に感じた。
 そして、その方向に、こぶしを振り上げた。
「オラァ!!さっきのムシ、見つけたぜ!!」
 要は、虫と戦っていた。
 誠志のお怒りなど、いつものことなので、要は気にもしない。
 人を凍りつかせる、誠志の殺気のこもった瞳も、かわいく思える。
 それより、今は、目の前の虫。
 でも、虫は、この場の誰よりも野生のカンを持っていたのか、瞬時に要から逃げていた。
「チッ!逃がしたか・・・。ん?」
 要は、自分のこぶしをぶつけた場所を見直して、絶叫した。
「ああああああ!!オレの、ミソが!!」
 生徒会室に要が勝手に置いた、インスタントラーメンが大量に保管されたロッカーが、木っ端みじんに砕けていた。
 もちろん、中の、要のみそ味も・・・。
 にんにくしょうゆ派の結人と、いっしょに食べようと思っていたのに。
 結人なら、キスの時、そのかわいいお口から、にんにくの臭いがしても、それすらかわいく思えるのに。
 ミソとにんにくを、口の中で、絡めあうのに。
 その夢が、木っ端みじん・・・。
「ひどい・・・、誰がこんなことを・・・」
 要の瞳が、ウルウルしだした。
 かと思ったら、泣かない男のはずの要が、目から滝のように、涙を流しだした。
「ひどいぜ!誠志!オレのミソ達を、こんな目にあわせるなんて!!」
 要の中で、なぜか犯人は、誠志になっていた。
「・・・いい加減にしろよ・・・」
 誠志が青筋を立てて、低く声を出した。
 いまだ、要の暴走した力で破壊される生徒会室の中、結人にがれきがぶつからないように、結人におおいかぶさっていた密の下から、誠志は結人を、引きづり出した。
「へ?」
 びっくりしている結人の首根っこを、猫つかみすると、誰もいない隅っこに、放り投げた。
「わあ!」
「結人!」
 結人が床に尻もちつく前に、要が結人を、スライディングキャッチした。
「こーらー、誠志!結人、投げんな!!」
「力の暴走は、収まった様だな」
「んん?」
 イライラしている誠志がいうように、変な声をだす要から、破壊系能力の暴走噴出は止まっていた。
 結人を傷つけたくない想いが、力の制御を、取り戻させたようだ。
「ゆーいと。オレ、力を鎮められたぜ。ほめてほめて」
 なぜか、誠志の手柄じゃなくて、結人を抱っこしている要がやったことになっていた。
 しかも、犬っころのように、結人にすり寄っていた。
「要さんが、犬さんみたいだ」
「ワンワン!」
 飼い主に、シッポをふりふりして、ほめてもらいたがっている犬のような感じだった。
 要は、結人の顔を、ペロペロ舐めている。
 他のみんなに、実は精神的には、要が犬で、結人がまさかの飼い主なのか?と、疑問を抱かせる張本人は、さらに、きょとん顔の結人に、要求を出し始めた。

要がお酒を飲むとどうなる? 6

「会長はん、なんや、すごいことになってんで」
 密に馬乗りになって、楽しそうに攻めている要を見ながら、泉介が言わなければいいのに、そんなことを口にした。
 今は、存在感を消し去ることが、重要な状況なのに。
 なので、当然、ハンターモードの要に、目をつけられた。
「せーんすけぇ」
「な、なんや、会長はん?オ、オレは脱がへんで!」
「安心しろ。もう脱がせたぜ!」
「なっ!い、いつの間にや?!」
「オレ、すごいだろ?」
「すごいんやけど、なんでやー?!」
「泉介、すっぽんぽんだな」
 それは、一瞬の出来事。
 閃光のごとき、匠の技。
 って、どんな神技が行われたのか、テクニシャン要が、泉介が驚く間もなく、泉介の衣服を全て脱がせていた。
 酔っ払い要は、当然、泉介のことも、残さず脱がせたい。
 大好きな子たちは、みんな、脱がせたい。
 で、その想いが叶って、脱がせられたから、楽しくって楽しくって、要は上機嫌。
「泉介、かわいいおちんちんしやがって。うりうり」
「会長はん!攻める相手を、まちがえてはるで!!うぎゃー」
 ニコニコしながら、要がおかしなことを始めた。
 泉介の悲鳴が響く。
 要は、ニコニコ、ニコニコ。
 が、
 突然、要の前髪で隠れた瞳が、鋭くなった。
「ウラァ!!」
「?!!」
 驚く泉介の顔の真横をすり抜け、要が、泉介の背後の壁をこぶしで・・・ぶち抜いた。
「危なかったな、泉介。虫がいたぜ」
「む、ムシって・・・!か、壁が・・・!会長はんのほうが、危ないで!!」
「へ?なんでだよ?」
「なんでって、こっちがなんで?や!」
「だって、虫だぜ。怖いだろ?刺されたら痛いぞ。かゆいしな」
「会長はんの、そのパンチが当たったほうが、痛いで!死ぬ!」
「だって・・・虫・・・」
「かわいい顔しても、あかんで!」
「だって・・・オレ・・・泉介が刺されたら、悲しい」
 男前なはずの要が、なんだか、かわいくなった。
 両目をウルウルさせて、しなってなって、しょぼんとなった。
 なんのモードなんだ?と、周りに疑問を抱かせた要は、ぷいっと横を向いた。
 その瞬間、要の視線の先の窓ガラスが、突然、けたたましい音を立てて、割れた。
 誰も、一切触れていないのに、粉々に。
「な、なんや?!」
「ありゃ。誠志、せーいーしー。ヘルプヘルプ」
 要は困った時は、とりあえず、誠志を呼ぶ。
 呼んだら、いつも、なんとかしてくれる。
 なので、なぁなぁと呼び続けたのに、誠志が嫌々そうに、要にほどかれた制服のネクタイを締めながら、無視を決め込んでいる。
「誠志!誠志!誠志!誠志!クソ誠志!オカン誠志!ムシすんな!こっち向けや、オラ!」
 要のガラが、悪くなってきた。
 誠志は知っている、結人たちに見せない要の属性の一つだ。
 誠志は、重い重いため息をつきながら、仕方なく、しぶしぶと返事をかえした。
 酔っ払い要には、なるだけというか、できることならというか、絶対に関わりたくないのに。
「なんだ?」
「あのな、オレね」
「だから、なんだ」
「力の制御、できなくなっちゃった☆」
 要が舌をぺろっとだして、そう、不吉なことを言った瞬間、

 ドカーン!!

 生徒会室が、爆発した。
 性格・属性だけじゃなく、要の破壊系能力まで、開放された。
 なのに、破壊している張本人は、嵐の中心で、
「なぁ、誠志、せーいーし」
「もう、呼ぶな」
「やら!聞いて、聞いて。ってか、聞けや、オラ!」
「なんだ・・・?」
「オレな」
「・・・・・・・・・」
「インスタントラーメン食べたい。もちろん、ミソ味だぜ☆」
 笑いながら、好物を要求しだした。
 誠志の血管が、音を立てて、切れた・・・。

要がお酒を飲むとどうなる? 5

「ひそっか!」
 密に飛びかかった要が、密を捕獲したかと思うと、密の頭を撫でだした。
 密の硬くてまっすぐな髪が、わしゃわしゃなるほど、思いっきり。
 誠志に対しての、長いツンツンモードの後には、デレデレがきたようだ。
「ひっそかの、黒髪キューティクル!オレの弟キューティクル!」
「要・・・」
「密、どうしたんだ?お兄ちゃんだぜ?もう、兄(にぃ)呼びはしてくれないのか・・・?」
 密が小さいころは、要にぃ、要にぃと呼んで、要の後をついて回っていた。
 にぃにぃ言う密・・・かわいかった。
 その密が、要と呼び出したのは、密なりの自立を目指しだしたということだから、要もそのままにしていたが。
「けどな、お兄ちゃんは、やっぱり、さみしいんだ!」
「・・・・・・・要?」
「密に、にぃ呼びされたら、お兄ちゃん、めっちゃ、がんばれるんだぜ!お兄ちゃん、がんばっちゃうぜなんだぜ!」
「要」
「呼んでくれないんだな。・・・・・・・さみし・・・」
 要が、しょぼんとしたかと思うと、さみしいさみしいと、ブツブツ呟きだした。
かと思うと、密の両肩をガシッとつかんで、密を振り回し始めた。
「呼びやがれ!オレは、オレだけが、密のお兄ちゃんだ!背を抜かれても、お兄ちゃんなんだ!お兄ちゃんなんだ!お兄さんなんだ!兄貴なんだ!だから、だから、だーかーらー」
「?」
「縮め!!」
 要が、無理難題な命令をしてきた。
 伸びた身長が、意志の力で、縮むわけがない。
 そんなこと、分かっている。
 でも、弟の密に、身長を抜かれたのは、要のかなりのコンプレックスだ。
 密は、無表情のまま、どうしようか考え込んだ。
 考えて、考えて、考えて。
 急に、大きな体をコンパクトに丸めて、体育座りをした。
「・・・縮んだ」
 密的解釈と発想で、縮んでみたらしい。
 密なりの、兄の期待に応えようとする、精一杯の努力。
 その結果が、でっかい高校生男子の体育座り。
 その姿に、要がなぜか、感動して、瞳をうるうるさせだした。
「密、お前のその発想力・・・。いつも、かわいいなぁ」
 要が、丸まっている密を、めいいっぱい抱きしめた。
 頭、わしゃわしゃもした。
 そして、
「かわいいから、脱げ!」
 どーんと、密を突き飛ばすと、床に押し倒して、密も脱がしにかかった。
 やっぱり、酔った要は、脱がすのが、大好き。
 いつの間にか、デレから攻めに、切り替わったようだ。
 でも、脱がすだけでは、攻め攻め要は、満足しなかった。
「お兄ちゃんはな、お兄ちゃんなんだ!だーかーらー☆」
 ムフッと要が笑ったかと思うと、密のわきに手を差し込み、
「お兄ちゃんは、弟の弱点を、知り尽くしてるぜ!兄ってのは、そういう生き物だ!兄弟に下克上はないのさ!」
 密のわきを、くすぐりだした。
 意味不明な、兄弟理論とともに。
 更に、全身のあらゆる、密がくすぐったがるポイントを、こしょこしょしだした。
 密が、あまりに的確なくすぐり攻めに、驚愕しながら、無表情にこらえだした。
「・・・・・・・!!」
「ほらほら、そんな無表情でいないで、笑え。笑え!わーらーえー」
「!!」
「笑ったら、きっと、密、かわいいぞぉ」
「・・・・っ!!」
「密、震えるぐらい、こらえちゃって。かわいいなぁ」
 密の弱点を、更にあちこち攻めだした要は、密に馬乗りになったまま、超ご機嫌。

要がお酒を飲むとどうなる? 4

「ガブガブガブ!モグモグモグ!」
「要、食べる気か?・・・いい加減にしろ」
 誠志の首を腕で拘束したまま、いつまでたっても誠志の首を噛み続ける要に、誠志が眉をひそめながら、低く声を出した。
 そして、力づくで引きはがすことにした。
 要に体重をかけて押し、要の脚が浮いたところに、足払いをかけようとしたが、
「甘いぜ、誠志!よいっしょっとー!」
 要が、倒れそうになった両足を床につけて、踏ん張ったかと思うと、その勢いのまま、誠志を床に押し倒した。
 うつぶせに倒して、その上に乗って、また、誠志の首に腕を回して、捕獲した。
 がっちり、しっかり、逃げられないように、拘束した。
「捕まえたぜ、誠志ちゃん」
 攻めモードの要は、無敵。
 そして、攻めだから、服を脱がすのが、好き。
 脱ぎ上戸じゃなくて、脱がせ上戸。
 酔ってしまうと、ヤりたくなるし。
「うーん、服が、ジャマだな」
 結人の服は、さっき脱がしたので、次は誠志を、脱がせることにした。
 誠志の前に手を伸ばして、ブレザーの制服のネクタイをシュルっとほどいて、シャツのボタンを、プチプチと手際よく外した。
 で、誠志の肩をあらわにしてみたが、誠志の肩は、普段は服で隠れているが、やっぱり、いい感じに隆起した、男らしいもので。
「ムカツク!ガブ!」
「要、やめろ」
「いーやーだ!その男らしい体、オレによこせ!ガブガブ!」
 また、噛んだ。
 要も、誠志みたいな筋肉をつけてもいいが、スピード性の高い技を重視しているので、重い筋肉をつけすぎないようにしている。
 それに、自分の容姿に似合わない。
 この、誠志みたいな、がっしりとした肩が自慢の、逆三角形体系は。
 顔が、うくのだ。
「クソー!噛みまくってやる!」
「・・・お前は、いつまで、攻め状態でいるつもりだ」
 なんだか、要の攻めモードが長い。
 ツンツンしながら、攻めてくる。
 このまま、デレに切り替わるのを大人しく待っていたら、何をされるか分からない。
 結人たちの前で、その醜態をさらすのは、鬼畜攻めの権威にかかわる、重要な問題だ。
 なので、誠志は、腕を伸ばした。
 自分たちを、驚きながら、なのに、のんきにお菓子を食べながら見ている、1年トリオに。
「会長はんが、副会長はんを、襲ってるで。密、お二人は、そういう関係なんか?」
「違う。要は、結人が好きだ。二人は仲がいいだけだ。誠志に、要をいつもとられる。ムカツク」
「密は、要さんが、大好きだもんね。でも、要さんと香守先輩って、ほんとに仲がいいよね」
 そんなほのぼの観察をしている、1年トリオ、泉介、密、結人の中から、一番近くにいた密の足首を、誠志はつかんだ。
「要、俺で遊んでないで、弟で遊べ」
 密を引きづり倒すように、誠志は要に、密を放り投げた。
 身代わりだ。
「密!」
 新たな要の獲物・・・要の大好きな人物の登場に、要の目が、獣を狩るハンターの輝きをきらめかせた。
 そして、飛びかかった。
 誠志を、ぽいっと放り投げて。
「密、きたー!」
「・・・!!」
 無言で、無表情に驚く密を、要はがしっと、抱きしめた。

要がお酒を飲むとどうなる? 3

 スイッチの切り替えが異常に速い要に、どう接していいか分からず、結人は手を伸ばして、ヘルプを求めた。
「か、香守先輩、密、泉介。たすけて。おれ、どうしたらいいか」
「ん?誠志ちゃんが、いるじゃんか」
 結人の視線をおった要が、誠志の姿を見つけ、獲物を狩るハンターの目をした。
 その瞳の異様な輝きに、過去のいやーな経験を思い出し、誠志はきびすを返して、部屋を出ようとした。
 が、
「誠志。オレから逃げられるとでも、思ってんのかよ!!」
 ツンツンしだした要が、ガッと誠志の首に腕を回して、誠志を拘束した。
 要は普段は、傷つけるのが怖くて、本気を出さないが、逆に遠慮を失ったら、破壊系最強男に、誰も敵わない。
 誠志でも、勝てない。
 要が首にかけたホールドは、簡単にはとけない。
 首の骨がギリギリ鳴って、苦しい。
「要、離せ・・・」
「やーら。オレ、誠志も好きだもん。結人と違う、好き。誠志はオレの、相棒だ。オレのだ」
 デレた。
 王様モードプラスで、デレた。
 けど、すぐ、攻めモードに入った。
「誠志ちゃーん、お前って、首、太いよな」
 攻めスイッチが入っている要が、変な笑いをしながら、誠志の首筋に、舌先をつけた。
「か、要さん?」
 要が誠志を、ヤる気なのか?!
 要×誠志が起きるのか?!
 そんな驚きで混乱するみんなをよそに、要は暴走を続けた。
「誠志ってさ、いい体してるよな。オレより、体格いいんだよな。背もオレより高いし、声もオレより低いし、なんかオレより、男ポイントに恵まれてて・・・・・・ムカツク!!ガブ!!」
 要が誠志の首に、噛み付いた。
 それはも、ガブリと、遠慮なく。
「要、噛むな!」
「やら!!ガブガブガブ!」
 要は、甘えた子供のような、ツンツンモードだった。
 容赦なく噛み付く要の頭に手を押し当てて、誠志は無理やり引きはがそうとするが、要は、カメかスッポンにでもなったかのように、噛み付いて離れない。
 そのまま、今度は、ツン全開になった。
「テメェには、たまには、お仕置きが必要なんだよ!ガブ!」
「要、いい加減にしろ」
 要&誠志の、いつものじゃれあいが始まったのか、それとも、攻め×攻めな状態なのか、理解が追いつかない結人たちをよそに、二人のとっくみあいが開始された。

 けれど、これは、要の酔っ払いモードの中盤戦・・・。

要がお酒を飲むとどうなる? 2

「会長はんって、酒に弱いんか?」
 泉介が、結人にポッキーを食べさせてあげながら、誠志に聞いてみた。
 誠志は何か、警戒をしているようだった。
 泉介が手に持つポッキーを、小動物がエサをもらうように、ぽりぽりぽりと食べている結人も、不思議そうに誠志を見た。
 要は、いつも通り、机に座っている。
 いつも通り、楽しそうに、ニコニコしながら、みんなを見ている。
 にこにこにこにこ・・・。
 誠志は、そんなニコニコ要を見てから、メガネの中心を長い指で押さえて、重く深いため息をついた。
「・・・今回は、そっちからか・・・」
「そっち?」
 結人が、なんのことだろうと思って聞いたけど、誠志は答えてくれなかった。
 代わりに、最初に泉介が聞いた疑問の答えを、誠志は口にした。
「要は、弱くはないな。むしろ、酒に強い。ただ、ある一定量を飲むと、急に酔う。そして」
「ゆーいとぉ!」
「わっ!」
 誠志の言葉をさえぎって、いつの間にか結人の背後にまわっていた要が、結人をぎゅうっと、抱きしめてきた。
 そして、結人のほおや頭に、チュッチュッチュと、何度も何度も、キスをしだした。
「ゆいーと。ゆーいと。ゆいと、ゆいと」
「は、はい、かなめさん?」
「ゆーいと。ゆーいと。オレのかわいいゆいゆい、オレのお話きーいて」
「えっと、は、はい」
「結人、オレね、結人に、言いたいことがあるんだ」
「あ、はい、えっと」
 グイグイ迫ってくる要の勢いに押されて、結人は、「はい」しか言えない。
 でも、結人がお返事してくれた。
 だから、要は、さらににこにこ、上機嫌になった。
 だから、さらにもっともーっと、甘ーい声を出してきた。
「オレね、結人が、ものすごーく、好きなんだ。大好き。超すき。世界一すき。かわいい、かわいい。結人がかわいい」
 なんか、いきなり、要が、デレていた。
 デレデレしていた。
 デレ全開の要だった。
 要のデレは、いつものことだけど、なんか、いつもと違うような。
 いつも以上に、デレているような。
「かなめさん?」
「だからね・・・」
「はい」
「オレと、いいことしようぜ」
 結人はいつの間にか、机に押し倒されていた。
「え?え?え?」
 結人を押し倒した張本人の要は、雰囲気が、ガラリと一変していた。
 長めに伸ばした前髪の隙間から見えるきれいな瞳は、いつもの優しい色ではなく、どこか怪しく光っていた。
 ぺろっと、自分自身の唇を舌で舐める要は、どこか、肉食獣を思わせた。
 さっきまで、デレデレモードだったはずの要に、攻めスイッチが、過剰に入っていた。
 結人に見せない、裏の顔をして、ニヤァと笑って、結人を見下ろしていた。
「え?ええ?要さん、どうしたんですか?」
「オレは、どうもしないぜ。どうしちゃたのかな、結人?怯えてる?びっくりしてるのかな?ふーん、それも、かわいいな」
 要が、指先で遊ぶように、結人の顔をなぞった。
 そして、その指で、クイッと、結人の顎をあげた。
 そうして、無防備になった結人の細い首筋に、指をはわせ始めた。
 なんか、要が変だった。
 なんか、攻めな感じで、色気を出している。
 しかも、要が人前で、結人に手を出すなんて、ないことだったのに。
「か、香守先輩!要さん、ど、どうしたんですか?」
「だから、要は、酔っているんだ」
 誠志がまた、重いため息をついた。
「要は、酔うと、無性にヤりたくなる」
「ええ?!」
「しかも、普段、優しい自分でいようとして、抑え込んでいるものが多すぎるからな。酒に酔うと、リミッターが外れて、感情が爆発する。しかも、いきなりデレたり、攻めになったり、属性がコロコロと変わる。その切り替えのタイミングは、オレにも分からない」
「ええ?!」
 驚いていたら、結人は要に、ぎゅうっと抱き寄せられた。
「結人。誠志と話さないで、オレと話そう?オレ、結人にほっておかれたら、さみしいよ。オレ、さみしいのヤダ。さみしいとウサギは、死ぬんだぜ・・・」
 要が攻めモードなのかと、結人がかまえたら、瞳をうるうるさせた、デレだった。
 しかも、
「要さん、うさぎさんなんですか?って、あれ・・・?ええ?!お、おれ、いつの間にか、ぬ、ぬがされてる!」
 テクニシャン要も、解放されていた。
 要は、自然な動きで、なのに一瞬で、結人の服を乱していた。
 そして、やさしく、にこっと笑った。
 かと思ったら、また、表情が変わった。
「まっ、うさぎは、寂しくたって、本当は死なないけどな。寂しいって言えば、結人がかまってくれそうだからさ、言ってみた」
 策略家要の時の顔をしていた。

要がお酒を飲むとどうなる? 1

読者様から、要がお酒を飲むとどうなるか見たいとの
リクエストがあったので、書かせていただきました(^▽^*)♪

※未成年者は、飲んではいけません。
 この小説は、あくまで、フィクションであり、
 未成年者の飲酒を推奨するものではありません。

さてさて、九条要君は、お酒を飲むとどうなるのか、
お楽しみくださいませ♪( ̄▽ ̄)ノ"


『九条要がお酒を飲むとどうなる?』

 第一生徒会室は、今日は、

 酒・盛・り・日☆。

 といっても、飲んでるのは、要と、「一人で飲むの寂しい」と要に言われ、仕方なく付き合わされている誠志だけ。
 他のメンバーは、おつまみ代わりのおかしを、もぐもぐしていた。
 結人が、もぐもぐ。
 密も、もぐもぐ。
 泉介も、結人のお菓子をとったりしながら、もぐもぐ。
 要と誠志は、グビグビ。


 なんで、こんなことになったかというと、最近、休む暇なく仕事をしていた要が、
「息抜きしたい!!疲れた!!呑ませろ!!ストレス解消だ!!」
 と、突然叫んでキレたのが、始まりだ。
 ・・・いや、学校で、お酒を飲んでは、いけません。
 ・・・というか、学生が飲んだら、いけません。
 先生に見つかったら、当然、怒られる行為です。
 でも、学園の王様であり、学園の最高権力者の九条要がいれば、なんだって、許される。
 要が、校則だ。
 要が、法律だ。
 そんなわけで、要は、堂々と、生徒会室で飲んでいた。
「要さんって、お酒すきなんですか?」
 与えられたらなんでも食べる結人が、いか焼きをもぐもぐしながら、ポテトチップ片手に、きょとんとして、聞いてきた。
 おつまみは、要特製のものが、大量に置かれていた。
 料理も、要の貴重な息抜き。
 ストレスが、きっと、怨念のようにこもっているけれど、天才肌の要が作ったものは、どれも美味だった。
 そんな要は、料理作りまくって、お酒飲みながら、かわいいもぐもぐ結人が見れて、ご機嫌だった。
 キレモードは、終了したようだ。
「オレ、酒好きなんだよな。甘いのも辛いのも、好き」
 要はけっこう強いので、昔(え?秘密だぜ☆)から、よく飲んでいた。
 梅酒・日本酒・焼酎・ビール・ワイン・カクテル・洋酒などなど、なんでも飲む。
 薄めたりせず、ロックでグイッと飲む男前さを、いつも発揮する。
 かっこつけているわけじゃなく、薄めてない本来の味が、好きだった。
 ただ、それに付き合わされてきた数々の経験で、誠志は知っている。
 要が酒を飲むと、どれだけ、やっかいか。
 なので、要に、ロック10杯飲んだら終わりの、命令を出した。
 その量なら、要は酔わない。
「ちぇ・・・。つまんねぇな。誠志のオカン気質!口うるさい!テメェは、オレにいっつも、ああしろこうしろって、お前はオレの、ママンか?教育ママか?なら、女装するか?そのごっつい体で、フリフリ新妻エプロン着てみせろよ」
 そんなことを言うから、誠志にギロッとにらまれたが、要は気にしない。
 しれっとしながら、次に何を飲もうかな~と選び出したが、誠志に警告を出された。
「次で、最後だからな」
「えー」
「甘えた声を出しても、それ以上は、許さないからな」
「ムカ。自分は、飲んでるくせに」
 舌うちしながらも、しぶしぶと、最後の1杯を何にするか考えていたが、
(飲み足りないなぁ。んーと)
 要はふと、あることを思いついて、にやっと、いたずら直前の顔をした。
 この顔をした時の要は、要注意だ。
 必ず、何かやらかす。
 天性の頭のよさを、悪い方に使いだす。
 今回も、当然、やらかした。
 要は、目の前にあった一升瓶を、ガシッとつかむと、そのまま口をつけて、一気飲みした。
 それはもう、男らしく。
 持ち前の男前さを、全開にして。
「おい、要・・・」
「約束通りの、10杯目だぜ☆」
 コップ一杯とは、言われてない。
 誠志が、頭を抱えて、ハァとため息をついた。
「要・・・。どうなっても、知らないからな」
「んー?」
「お前が日向に嫌われても、自分の責任だからな」
「んー?」
「酔ったな・・・」
「んー?」
 要が、変な受け答えを、始めた。
 そして、要の酔っ払いタイムが、始まった。
 第一生徒会メンバー全員が、二度と要に飲ませたくないと思う時間が・・・。