2016年01月08日

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 7

「どうして・・・似た名前ばっかりなんだよ・・・」
 結人は、ベッドの上で、撃沈した。
 ベッドに、力なく倒れた。
 それでも、最後の力をふりしぼって、『朝霧密』の登録名を『密』に戻した。
 これで、気をつければ、間違わないはずだ。
「要さんは『要さん』。密は『密』。字が似てるけど、要さんには、『さん』がついてる。カ行とハ行だし。うん、だいじょうぶ」
 ほとんど、自己暗示的につぶやきながら、密にさっきの間違いをあやまろうと、結人は密に電話をかけてみた。
「密は『密』。ハ行。大丈夫。まちがえてない」
 よし!と思っていると、部屋の中から、突然、音楽が聞こえてきて、結人はビクッとなりながら、ベッドの上で、跳ね起きた。
 そして、音の発信源を探して、激しく落ち込んだ。
 鳴っているのは、机の上に置きっぱなしだった、結人のもう一つの、携帯電話だった。
『日向結人』で登録している、携帯電話の。
『密』と『日向結人』は、同じ『ひ』で、上下に並んでいた。
 結人の顔に、いやな汗が、だらだらと流れてきた。
「お・・・おれは、どうしたらいいのー!」

 結人の間違い電話が終わる日は、こないようだ。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 6

「おれ・・・どこまで、ばかなんだろう・・・」
 誠志と泉介が同じ『せ』で並ぶことすら、気付かないとか、落ち込むしかなかった。
 結人は、とりあえず、誠志にこれ以上間違い電話をしたら、お仕置きされるとぶるぶる震えながら、泉介の登録名に苗字を追加して『赤井泉介』に変えた。
「よ、よし!今度こそ、まちがえないはずだ」
 サ行『誠志さん』は、カ行『要さん』からも、ア行『赤井泉介』からも遠ざかった。
 はぁーっとため息をつきながら、今度こそ、泉介に電話をかけてみた。
 この、なんだか疲れた気持ちを、分かってほしかった。
「せんすけー。おれね、まちがいばっかりしてる。香守先輩におこられたよ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「泉介?」
 泉介が黙っている。
 いつもなら、結人が話し終わるのも待たずに、色々なおもしろい話をしてくれるのに。
 なんだか、この展開は、いやな予感がした。
「えっと、泉介・・・だよね?」
「これが、結人の間違い電話なのか・・・。俺は間違われてなかったのに、間違われた。なんだか、他の奴と間違えられるのは、ショックだ」
 この淡々とした、人の話を聞いてない感じの物言いは・・・。
「・・・ひ・・・ひそか・・・?」
 電話口から、頷く音が聞こえた。
「俺は『ひ』だから、安心していた。どうしてそうなったか、分からない」
 そう密にいわれても、結人も驚くしかなかった。
 慌てて確認してみれば、ア行で、『赤井泉介』と『朝霧密』が、上下に並んでいた。
 結人は、うっかりしていた。
 忘れていた。
 要の名前と似てて間違っていたから、『密』の登録名にも、苗字を付けたことを。
 そのせいで、間違い電話をかけていなかった密にまで、かけてしまった。
「密、ごめん!」
 とりあえず、この激しく動揺した心を抑えてから、いっぱい謝ろうと思って、結人は電話を切った。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 5

「んー!」
 結人が、かわいい顔をしかめて、携帯を必死に操作していた。
 要に使い方を教えてもらって、登録名を変えていたのだ。
「よし、できたー!」
 結人の顔が、ぱぁっと輝いた。
 もう、間違い電話をやらかさないために、『香守誠志』を『誠志さん』に変えたのだ。
「これで、おれはもう、ばかじゃないぞ。・・・えへへ。『誠志さん』って、なんか、はずかしいな。怒られるかな」
 でもこれで、今度からは、『要さん』にかけようとして、同じカ行で上下に並んでいる『香守先輩』にまちがってかけることは、ないはずだ。
『誠志さん』なら、サ行だ。
 結人はうれしくて、誰かに報告したくて、こんな時、いっしょにさわいでくれる人に電話をかけてみた。
「泉介ー。おれね、携帯のアドレス、変更できたんだよ。すごいだろ?ばかってもう、いわせないぞ」
「日向・・・」
 電話口から、怒ったような、呆れたような、低い声が響いてきた。
 しかも、泉介らしくない呼び方をして。
「ん・・・と?」
「お前は、今度は俺を、どこに入れた?俺は『香守誠志』だと、何回言ったら分かる?」
 結人の血が、さーっと引いた。
 さんざん、『要さん』と間違い続けて怒らせた相手に、またかけてしまっていた。
「え?え?なんで?」
 慌てて、携帯のアドレスを見てみれば、『誠志さん』と『泉介』は、同じサ行の中、上下に並んでいた。
「・・・おなじ・・・『せ』だ・・・」
「約束通り犯してやるから、俺の部屋に、今すぐこい」
「ご、ごめんなさーい!」
 怖いです!いきませーん!と、涙を浮かべて叫びながら、結人は必死に、電話を切った。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 4

「おれって・・・いったい・・・」
 ばかすぎると、落ち込んでいた結人だが、さっき理事長に言われた言葉が、気になってしまった。
「理事長・・・また、要さんに、ひどいことするのかな・・・」
 要が泣くからそうしろと、言われた。
 自分の失敗のせいで、また、あの優しい人が傷ついたら嫌だと思い、結人は怖い気持ちをむりやり抑えて、理事長へと、もう一度、電話をかけた。
「あ・・・あの、理事長。要さんに、もう、ひどいことしないでください・・・。お願いします」
 電話口から、フフと笑う声が、聞こえた。
 でも、理事長とはどこか違う、低音の怪しさを含んだ笑い声。
「理事長?」
「僕も九条君は嫌いですから、たっぷりと酷いことして頂いて、泣かせてもらえると、嬉しいですね。日向君は、僕の為に、啼いてくださいね。よがってくれてもいいですよ」
「・・・えっと」
「僕は『黒崎』ですよ。カ行仲間ですね。まぁ、さすがに、あの意味不明な方と間違われるのは、楽しくないですが」
 結人の血が、また引いた。
 黒崎。
 くから始まる名前の人。
 結人のアドレス帳には、『香守先輩』『要さん』『神無理事長』の後に、『黒崎せんせ』と続いて入っている。
 黒崎だけ、中途半端な入力なのは、登録している途中で怖くなって、操作法がよくわからなくなって、そのままになっているためだ。
 結人が、固まった。
 目が、点になった。
 かぱぁっと開いた口が、閉じれなくなった。
「どうしました?日向君。君の声を録音して、夜のお伴にしたいので、いい声を出して頂けると嬉しいですね」
「・・・・・・け」
「け?」
「携帯なんか、きらいだー!」
 結人の困った声が、男子寮に響いた。


 そんな感じで、毎日、最低4回以上繰り返される結人の間違い電話は、けっこう、みんなに波紋を呼んでいる。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 3

「おれ、なんの説明もしないで、きっちゃった。もう一度、かけよう」
 要に間違い電話したのに、勝手に切ってしまったので、あやまろうと思って、要にもう一度、電話をかけた。
 今度は、密とまちがわないように、アドレス帳からかけてみた。
「要さん、ごめんなさい!おれ、また、密とまちがえてかけて」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「要さん、怒ってますか・・・?そうですよね、要さん、忙しいのに・・・。ごめんなさい・・・。おれ、もう電話かけないようにするから」
 要と電話できなくなるのは、すごくさみしいけど、忙しい人のじゃまにならないように、浮かんできた涙をこらえながら、結人がそういうと、電話口から、びっくりする声が聞こえてきた。
「要に電話をかけないようにするのかい?それはそれは、要が泣くだろうね。実に滑稽で、笑えるね。ぜひ、そうしてくれたまえ、日向君」
「・・・・・・・り・・・・・じ・・・・ちょう・・・・・」
 結人の血が、さーっと引くのを感じた。
 もう一人、忘れがちだが、かのつく人がいたことを、思い出した。
 結人の携帯アドレスのカ行は、『香守先輩』『要さん』『神無理事長』と並んでいる。
 普段は、理事長とだけ呼んでいるので、名前をすぐ忘れるのだ。
「すみません!!まちがえました!!」
 結人は、大慌てで、携帯の『切』ボタンを連打した。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 2

「おれ、また、まちがえた。おれって、ばかだなぁ。・・・学習しない」
 はぁとため息をつきながら、今度は、別の人に電話をかけてみた。
 まちがわないように、名前を確認してから。
「あ、密。おれね、また、電話相手を間違えたよ・・・。香守先輩に・・・お、犯すっていわれた・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 今度は、密が黙っていた。
 でも、密はよく黙るので、気にしない。
 密は、電話なのに、黙ったまま、電話の向こうでうなずいたりする。
「でね、密が前にいってた、密だけにおしえてほしいことって、思いついたから」
「結人、あのね」
 密らしくない、優しくて穏やかな、甘い声が聞こえてきた。
「ん?」
「オレは『要さん』だよ。『要』と『密』を、また間違えたのかな?」
「え・・・?」
「そんなに、名前が似てるかなぁ?大好きな結人の声が聞けるなら、間違い電話、大歓迎だけど、他の男との秘密ごとを話されるのは、ちょっと嫉妬しちゃうかな。なんてね」
「ええ?!」
 結人は驚きながらも、またやってしまったと、落ち込んだ。
 同じ一文字だし、なんだか、ジッと見ていると同じに見えてくる、『要』と『密』の文字。
 間違い電話を、いつもかけまくってしまっている。
「ごめんなさい!!」
 結人は急いで、ボタンを押して、電話を切った。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 1

前回、リクエストで書いた
『みんなの携帯事情』を読んでから、読んでいただくと、
より分かりやすいかもですが、
これだけ読んでも、分かるようになってます♪( ̄▽ ̄)ノ"

つまり、結人の携帯電話についてのお話です☆


『結人君、いろいろまちがってます(携帯編)』


 結人は、携帯の操作が、とっても、とっても、苦手です。
 というか、機械類すべて、意味不明な存在です。
 説明書見た瞬間、結人は、フリーズします。


 そんな結人が、寮の部屋のベッドの上に座って、片手で枕を抱っこしながら、要に携帯で電話をかけてみた。
 要にいわれていた、
「今日の晩御飯、何が食べたいか、考えててね☆」
を、決めたから。
「要さん、要さん、あのね。おれ、今日のごはん、ハンバーグがいいです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれ?要さん?だまってる・・・。ハンバーグ・・・いやでしたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「お、おれ、なんでもいいです!要さんの好きなものでいいです。いつも、ハンバーグっていってごめんなさい・・・」
 黙っている要に、結人が慌てて言葉を探していると、携帯電話から、とても冷たく低い声が聞こえてきた。
「日向・・・、お前は何回、俺と要の番号を、間違える気だ」
「・・・へ?」
「俺は、『香守誠志』だ。お前に激甘『要さん』と、甘くない『香守先輩』の登録名を変えろ。同じカ行に入れるな」
「え?え?え?」
「今度間違えたら、犯すからな」
「ご、ごめんなさい!!」
 結人は体を、ビクンと跳ねさせて、大慌てで、電話を切った。
 結人の携帯電話のアドレス帳には、登録人数の少なさの為か、『香守先輩』と『要さん』が上下に並んでいる。
 それを、いつも、押し間違える・・・。

みんなの携帯事情

キャラのみんなの携帯事情を知りたいとの
読者様から、リクエストがあったので、
今回は、サウンドオンリーで、お送りしまーす☆

作者が、キャラクターたちに質問している形です♪( ̄▽ ̄)ノ"


『みんなの携帯事情』

作者 「というわけで、携帯について色々聞いていくから、答えてね。
    人数多いから、サウンドオンリーで、
    ボケても無視する鬼進行でいくから、よろしくね」
みんな「そんなに、携帯でネタないだろ?企画倒れす」
作者 「へ・ん・じ・は?」
みんな「はーい」
作者 「携帯は、みんなガラケー派?スマホ派?両方派?」
要・泉介「ガラケー派」
誠志・黒崎・理事長「スマホ派」
結人・要「両方持ち派」
作者 「結人は、要に2台もらったの?」
結人 「はい、前になくなったとき、こまらないように2つあげるねって」
作者 「要は、金持ち自慢?」
要  「ちげぇよ。電話多いからな。仕事用がガラケー。プライベート用がスマホ」
理事長「おやおや。私は、要のスマートフォンの番号を、教えてもらっていないが?」
要  「てめぇに、オレのプライベートを、教えるかよ!」
理事長「ほほう。調教が足りないと言っているのかな?」
要  「ぶん殴られたいって言ってんのは、アンタか?」
作者 「いちゃつく奴らは無視して、次ー」
要  「オレが結人以外に、いちゃくわけないだろ。どこ見てんだ(怒)」
作者 「無視無視。スマホのみんなに、質問。
    スマホは、アンドロイド派?アイフォン派?」
結人 「え、えっと、あん・・ど・・・え?あい・・・?かなめさん、おれ、どっち?」
要  「結人は、オレとおそろいで、アンドロイドだよ♪他の奴は、アイフォン派」
作者 「なんで要が全員のを把握してんの?
    しかも、結人とちゃっかり、お揃いにしてるし。
    誠志、アイフォンなんだ。
    そういえば、アイパッドとか持ってたよね?
    パソコンも、デスクトップの2台のうち、1台、マックだったよね?」
誠志 「そうだな。合わせたほうが、管理しやすいからな。無駄な時間は使いたくない」
作者 「ああ、香守父に出される超難問課題に使ってるのか。
    ちょっとの時間も惜しいなんて、
    英才教育されるのも、大変ね。一般庶民でよかった。
    みんなは、ゲームとか何かアプリとかダウンロードしてる?」
結人 「はい!おれ、ハムスターを要さんに、いれてもらいました。ゲームです。
    ハムスターさんを育てるゲームです」
要  「そっ。だから、オレもハムスター。
    あと、結人のご飯考えるのに、レシピ系のアプリとか」
密  「してない」
泉介 「無課金で、いろいろやってるでー」
誠志 「妹に押し付けられて、
ゾンビ村を一時期やっていたな」
黒崎 「3D人体解剖図ですね」
理事長「私は【作者規制中】だな」
作者 「不適切な発言には、容赦なく【作者規制】入れるからね。
    誠志、ゾンビ村って、何よ・・・?
    ってか、相変わらず、妹に振り回されてるのね」
誠志 「黒崎の発言を指摘したらどうだ?まあ、ゲームだな。
    一般市民をゾンビ化して、他のプレイヤーの村を襲って
    人間を食べるシナリオだ」
作者 「兄妹そろって、何、怖いことしてんのよ。
    ところで、総受けの結人って、みんなからの連絡、すごいんじゃない?」
結人 「あ、えっと・・・」
作者 「なに、もじもじしてるの?正直に言っていいよ?」
結人 「・・・う・・・すごいです・・・」
作者 「もてるのも、大変だね」
要  「だから、オレが規制した。
    全員呼び出して、説教して、結人への連絡を、少しおさえろって。
    結人、ただでさえ携帯が苦手なのに、返事をがんばって打ってる間に、
    次々に電話やらメールやらをよこすから、混乱して、
    泣きそうになってたからな」
作者 「要は、抜け駆けとかしてないの?」
要  「超したい!!けど、オレがしたことで、結人が責められたら可哀想だろ?
    我慢してるさ」
作者 「そうなんだ。
    でも、我慢しない、ダメな大人なら、そこに二人いるけど?」
要  「理事長・・・黒崎・・・お前ら、ってもう逃げやがった。
    ちょっとしばいてくる!」
作者 「あら、3人もいなくなった。
    ところで、密は、あんまり話に加わってこないね。
    携帯苦手だから?」
密  「携帯に興味がない。
    けど、結人と遊べるなら、俺もハムスターする」
作者 「なんか、密がハムスターになるみたいに聞こえるわね。
    デカイハムスターね。
    ま、いいけど、密はお金ないでしょ?スマホ高いよ?」
泉介 「オレも、スマホにしたいねんけど、ムリやわぁ。
    高いのに、2台持ちとか、会長はん、うらやましいで」
結人 「ええ?!高いの?・・・お、おれも、2台もってる・・・。
    また、要さんにお金、使わせた・・・」
作者 「あーあ、要が黙ってること、ばらしちゃって。
    結人、ショックで固まったよ?」
誠志 「要はどういって、日向を納得させていたんだ?」
作者 「『仕事の連絡で必要だから、携帯は持っててね』って。
    メルアドは、要が作ってたよ。甘々なのを。
    天使がどうとか、ラブがどうとか、猫がどうとか、なんか組み合わせて」
結人 「はい!おれ、要さんにいって、携帯、なくしてもらってきます!!」
作者 「ありゃ、結人までいなくなった。
    ということで、今日の座談会はここまで」
posted by ちぃ at 22:54| Comment(0) | 【小説】みんなの携帯事情 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする