2015年12月23日

誠志のうっかりミス&ぼんやり&意外な一面 2

「・・・あれぇ?かがみせんぱいだぁ」
「日向、やっと起きたか・・・」
「はい、おはようございますです」
 芝生でいつの間にか爆睡していた結人だが、眼を覚ました時、目の前に誠志がいたことに驚いた。
 でも、まだ眠たい目をこすりながら見つけたものに、もっともっと驚いた。
「香守先輩の手、べとべと。それに、ボタンもとれかけてる?」
「・・・誰のせいだ」
 結人が、幸せな夢に任せて、誠志の手首も、シャツも、噛み続けたせいだというのに、
「おれ、つけてあげます!」
 誠志が止めるのも聞かずに、結人は笑顔いっぱいで、ぴゅーっと走って行った。
 かと思うと、たったったっと、走って帰ってきた。
 そして、
 ぶすっ!!
「っ?!」
 誠志の制服のボタンを付けようとして、誠志の腕まで、針をぶっさした。
「あれ?」
 結人が不思議そうに、声を出した。
 誠志はうっかりというか・・・忘れていた。
 結人は、けっこう、いや、かなり、おおざっぱだということを。
 料理を作らせれば、素材をそのまま切らずに大鍋に放り込むし、掃除をさせれば、物を破壊する。
「・・・日向・・・貴様・・・」
 腕に刺さった針を抜きながら、誠志が低い声で結人を呼んだが、結人は邪気のない笑顔で「はい!」と、にこにこ答えた。
 結人に悪気は、一切ないのだ。
 いつも、一生懸命すぎるだけで。
 いつも、いっぱいがんばろうとするから、やりすぎるだけで。
 その顔を見ながら、誠志はため息をついた。
 怒る気が失せたと。
 結人の笑顔は、ある意味、最強無敵。
「まったく・・・。行くぞ、日向」
 誠志は結人の手をつかみ、立たせると、歩き出した。
「あ、はーい」
 結人はおとなしく後ろを歩きだしたが、握られている手の温かさを感じ、突然、えへへと笑った。
「なんだ?」
「香守先輩って、時々やさしいですよね」
 誠志は結人と二人っきりの時、ごくたまにだが、やさしい時がある。
 結人はそれをうれしく思っていったのだが、自称気分屋の誠志の逆鱗を、今日は刺激したようだ。
 誠志がピタリと足を止め、結人を振り返った。
「ほお?優しくされたくないと言ってるのは、この口か?」
「え?え?え?」
 結人はいつの間にか、芝生の上に押し倒されていた。
 いつの間にか、服を脱がされていた。
「え?え?え?」
「日向、覚悟しろよ」
 その後、誠志をやさしいと言ったことを後悔させられることを、結人は、いーぱいされた。
 さっき、誠志が考えていた、あんなことや、そんなことを。
「ご、ごめんなさーい!」
 お昼の学校に、結人の悲鳴と、甲高い喘ぎ声が響いた。


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