2015年12月28日

3月22日密お誕生日小説 2

「俺は、結人が喜ぶことがしたい」
「え?え?密の誕生日だよ?おれのじゃないよ」
「俺は、結人が喜ぶ顔を見るのが、一番うれしい」
「・・・え?」
「それをもらえたら、それでいい」
「・・・ひそか・・・」
 結人が呟いた時、砂山のトンネルが、開通した。
 指先が触れ合ったので、密はそのまま、砂のトンネルの中で、結人の小さな手を握った。
 ぎゅっと。
「・・・ひ・・・ひそ・・・か・・・・」
「なんだ?」
「・・・い・・・たい・・・」
 結人の大きな瞳に、涙がうっすらと、浮かんでいた。
 強く握りしめすぎたようだ。
 密は一度、結人の手を離して、今度は、指を絡めるようにつないだ。
 恋人握りだと、前に泉介が教えてくれた。
 思い出したから、そうしてみた。
 結人が好きだから、そうしてみた。
 そして、少し顔を赤くしている結人を、じーっと見つめた。
 人が見たら、無表情で、ちょっと怖いと思える密の直視。
 でも、無表情だけど、結人はそんな密の無表情の中の感情を、見つけてくれる。
 それが、いつからか、密の中で、とてもうれしいと感じるようになっていた。
「結人は、今日は、俺といてくれるか?」
「えっと・・・ね・・・」
「いてくれないのか?」
「・・・・・・・う、ううん・・・・。いる・・・・」
 結人がうつむいて、恥ずかしそうにしながらも、そういってくれた。
 つないだ手も、離さないでくれた。
 だから、密は自然に言えた。
「俺は結人が好きだ。だから、うれしい」

 密にとって、楽しい誕生日になった。


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