2015年12月30日

去年の学園祭は秘密だらけ 3

「今年は、日向が女装するか?」
「ええ?!香守先輩、なんでですか・・・?」
「お前なら、したことがありそうだな?」
「・・・う・・・」
「どうなんだ?」
「・・・あります・・・。そういうのが好きな人が・・・いたから・・・」
「なら、決まりだな。申請を出しておくからな」
「こぉら、誠志!結人を巻き込むな!会長として、許可ださないからな」
「要の会長印を、勝手に押すだけだ」
「やらせねぇよ!」
 バチバチと火花を散らしだした要と誠志に、結人は慌てて、「すみません!」と叫んだ。
「おれ、しますから、けんかしないでください。おれなら、だいじょうぶです!」
「結人は、悪くないよ」
 要がそういって、結人を優しくなだめようとした時、結人がいいことを思いついたと、にこにこした。
「みんなでするってのは、どうですか?」
 その言葉に、みんな、固まった。
 結人の名案は、いつでも、迷案だ。
 しかも、突発性で破壊力抜群の。
 しかも、結人の言葉を、やたら肯定&実行する悪い癖をもった男が、この生徒会にはいる。
『結人の夢は、いつでもオレが叶える!』がポリシーなのだ。
 九条要という男は。
「いいんじゃねぇ。お前らも女装してみろよ。で、オレの苦しみを知れ!写真撮りまくってやるよ」
 要の言葉には、恨みもこもっているようで、『お前ら』の意味の大部分は、誠志のようだ。
 やられたらやり返す。
 今年は、香守せい子の写真を、何倍にも売りさばいてやる。
 だが、そんなものを受ける気も、女装する気もない誠志が、話しをさらに流した。
「俺に対して、それだけの過剰要求をするなら、日向、お前はそれ相当の代価は、覚悟しているんだな?」
「へ?えっと、代価ですか?」
「そうだな。下着が見えるほど短いナース服と、スリットの上限を超えたチャイナ服と、帯がほとんど崩れている振袖で、選ばせてやろう」
「ええ?!」
 結人が激しく動揺して、両手をばたばたしながら、おたおたしていると、泉介が悪ノリしてきた。
 いや、本気かもしれない。
「オレは、ミニスカでニーソがええと思うで。絶対領域や。結人のほそっちぃ脚なら、いけるで。お、なら、メイドさんもありやな」
「や、やだ!」
 結人の話題になると話に参加してくる密まで、ボソボソ言い始めた。
「結人は、清楚がいい。白いフリルのひざ下ワンピース。頭に、リボンつけてもいいと思う」
「密まで、なにいって」
 みんなのとんでもない要求に、結人が泣きそうになっていたら、要が止めに入ってくれたが、
「お前らなぁ、結人は何着てても、かわいいだろうが。女装で萌えんな。外見で人を判断するもんじゃねぇだろ?」
「かなめさん!やっぱり、要さんは、やさし」
「・・・でも、結人のネコ耳は・・・見たいかも」
「要さんまで、想像しないでぇ!」
 掃除をしていたはずの生徒会室は、妄想広場に変わったようだ。
 今年の学園祭開催を強行するのは、生徒会かもしれない。


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