2015年12月30日

4月5日要お誕生日小説 3

 要は沙希からタオルを奪うと、ぼすっと沙希の頭に乗せ、沙希の濡れた髪をわしゃわしゃと拭いた。
「あら、要様、お優しいですわね」
「お前をカゼひかせたら、香守父に何要求されるか、分からねぇからな」
「あら、たいした要求はいたしませんわ。ほんのちょっと、要様の元気な精子入り精液を下されば、大丈夫ですわ」
「ぜってぇ、やらねぇよ」
 沙希の冗談なのか、本気なのか分からない言葉に・・・いや、沙希はいつでも本気だけど・・・ため息をついていたら、沙希がふふと楽しそうに笑った。
「なんだよ?」
「いいえ。こんな風に甘いことして頂くのって、久しぶりだなと思いまして。子供のころはかわいがって下さったのに、要様、器君と出会ってから、してくれなくなりましたもの」
 沙希は、結人のことを器君と呼んでいる。
 確かに、要が結人を好きになってから、沙希にこんな風には接しなかった。
 要は、沙希の頭をちょっと乱暴に拭きながら、結人を想って笑った。
「オレって、一途なんだよ。結人はオレの宝物」
「要様って、本当に、器君のことがお好きですわよね・・・。愛にあふれてますわ・・・」
 沙希の声のトーンが、少し下がった。
 うつむいた沙希を見て、要を好きだと昔から言い続けている沙希に、悪いことしたかなと要が声をかけようとした時、沙希が満面の笑顔を向けてきた。
「私、要様と器君の、愛にあふれたセックスを見てみたいですわ。あ、とろこてん希望ですわ」
 ここで、香守沙希のエッチな豆知識!
 ところてんとは、アナルセックス中に、ペニスを直接刺激せずに、肛門から前立腺を刺激することで射精させてしまう状態を指す隠語(ゲイ用語)ですわ。
「私、要様ならできると信じてますわ」
 ガッツポーズを決めて笑う沙希を前に、要はもう、複雑に笑うしかなかった。
「悪かったなぁ、沙希。お前が落ち込むなんて、ありえない想像して。オレとしたことが、お前を理解してなかったよ」
「女は、殿方に全てを理解されたら終わりですわ。秘密こそ、女を彩る最高のスパイス。それに、私、前に言った通り、要様が愛する器君とうまくいくことを、願ってますわ」
 沙希はにっこりと笑うと、持っていたビデオカメラを、要に差し出した。
「ですから、要様と器君のセックスシーンを見せてくださいませ。撮影してきてくださいませ。要様が、器君に攻め攻めな時の、要様の感じてる顔を見たいですわ。あ、ちゃんと中出ししてくださいませね」
「見せねぇよ!・・・ったく、ところてんとか。オレは結人に、そういう激しいことはしないの」
「あら、そうなんですの。なんなら、器君が激しくあんあん言うように、私が、調教いたしましょうか?」
「なんで、結人の大事な童貞を、お前にやらないといけないんだよ」
「んー。あ、なら、私、男装いたしますわ。器君が、女に目覚めたりしないように。で、バリバリの攻めになりますわ。器君の体と穴を、男として攻めまくりますわ。それならいいでしょう?」
「何がいいんだよ・・・。あのなぁ、お前は」
「ご安心くださいませ。私、イケメンになる自信、ありますわ」
 確かに、黙っていればかなりの美少女な沙希なら、イケメンになりそうだし、結人より背も高いし、いい感じに見えるかもしれないが、問題はそこじゃない。
 要からは、もう、ため息しか出なかった。
「沙希」
「はい。なんですの?」
「デコピン」
「きゃう」
 要は、沙希の前髪をかきあげると、その額にデコピンをした。
 子供のころから、こんな調子で暴走する沙希との間に、いつの間にかできた約束事だ。
 要がデコピンしたら、それ以上はダメだぞと。
 軽く当てるだけだが、それをされたら、要が怒る手前なので、沙希は口を閉じないといけない。
「雨やんだし、帰るぞ」
「あ、要様、待ってくださいませ。私からの、誕生日プレゼントがございますわ」
「お、ありがとな」
 沙希がカバンから取り出した、要の好きな色・・・空色のリボンで包まれたプレゼントを、要は開けてみた。
 そして、固まった。
 そこには、『男の精力増強薬。陰茎が巨大になること間違いなしEX』が入っていた。
「レッツ、ところてんですわ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「私、考えましたの。第一ラウンドは、それでビンビンのガチガチになった要様のモノで、ガンガン突いて、器君をトロトロの敏感にすれば、第二ラウンドで、入れたと同時に器君が射精する、理想的なところてんになると思いますの」
 笑顔で提案をする沙希に、要も笑顔を向けた。
「沙希。要お兄ちゃんが、教えてあげるな。こういうのはね」
「はい。なんですの?」
「オレへのプレゼントじゃなくて、お前の欲望の道具っていうんだよ!」
 沙希は、めっちゃ、デコピン連打された。
 要は、じゃきのない結人の笑顔に、無性に会いたくなった。


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