2016年01月08日

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 2

「おれ、また、まちがえた。おれって、ばかだなぁ。・・・学習しない」
 はぁとため息をつきながら、今度は、別の人に電話をかけてみた。
 まちがわないように、名前を確認してから。
「あ、密。おれね、また、電話相手を間違えたよ・・・。香守先輩に・・・お、犯すっていわれた・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 今度は、密が黙っていた。
 でも、密はよく黙るので、気にしない。
 密は、電話なのに、黙ったまま、電話の向こうでうなずいたりする。
「でね、密が前にいってた、密だけにおしえてほしいことって、思いついたから」
「結人、あのね」
 密らしくない、優しくて穏やかな、甘い声が聞こえてきた。
「ん?」
「オレは『要さん』だよ。『要』と『密』を、また間違えたのかな?」
「え・・・?」
「そんなに、名前が似てるかなぁ?大好きな結人の声が聞けるなら、間違い電話、大歓迎だけど、他の男との秘密ごとを話されるのは、ちょっと嫉妬しちゃうかな。なんてね」
「ええ?!」
 結人は驚きながらも、またやってしまったと、落ち込んだ。
 同じ一文字だし、なんだか、ジッと見ていると同じに見えてくる、『要』と『密』の文字。
 間違い電話を、いつもかけまくってしまっている。
「ごめんなさい!!」
 結人は急いで、ボタンを押して、電話を切った。
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