2016年01月08日

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 3

「おれ、なんの説明もしないで、きっちゃった。もう一度、かけよう」
 要に間違い電話したのに、勝手に切ってしまったので、あやまろうと思って、要にもう一度、電話をかけた。
 今度は、密とまちがわないように、アドレス帳からかけてみた。
「要さん、ごめんなさい!おれ、また、密とまちがえてかけて」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「要さん、怒ってますか・・・?そうですよね、要さん、忙しいのに・・・。ごめんなさい・・・。おれ、もう電話かけないようにするから」
 要と電話できなくなるのは、すごくさみしいけど、忙しい人のじゃまにならないように、浮かんできた涙をこらえながら、結人がそういうと、電話口から、びっくりする声が聞こえてきた。
「要に電話をかけないようにするのかい?それはそれは、要が泣くだろうね。実に滑稽で、笑えるね。ぜひ、そうしてくれたまえ、日向君」
「・・・・・・・り・・・・・じ・・・・ちょう・・・・・」
 結人の血が、さーっと引くのを感じた。
 もう一人、忘れがちだが、かのつく人がいたことを、思い出した。
 結人の携帯アドレスのカ行は、『香守先輩』『要さん』『神無理事長』と並んでいる。
 普段は、理事長とだけ呼んでいるので、名前をすぐ忘れるのだ。
「すみません!!まちがえました!!」
 結人は、大慌てで、携帯の『切』ボタンを連打した。
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