2015年12月23日

誠志のうっかりミス&ぼんやり&意外な一面 1

読者様から、リクエストを頂きました\(⌒▽⌒)/
ありがとうございます☆

いつも、冷静で完璧で、隙がない誠志が、
うっかりミスしたり、ぼんやりしたり、意外な一面があったりしたら、
見たいですとのことだったので、書いてみました♪( ̄▽ ̄)ノ"



『誠志のうっかりミス&ぼんやり&意外な一面』


 香守誠志が、学校内でタバコを吸っていても、誰も注意しない。
 いや、できない。
 あの香守家だし、あの生徒会鬼畜副会長だし、あの誠志だし。
 誠志が歩けば、そのおどろおどろしいドSオーラの効果範囲内から逃げるように、学生たちも教師も道を開ける。
 なので、今日も今日とて、誠志は堂々とタバコをふかしながら、学校内を歩いていた。
 そしたら、見つけた。
 芝生で、一人でぐっすりと寝ている、結人を。
 しかも、どこから湧いて出たのか、大量の猫たちに囲まれて、幸せそうに寝ている。
「おい、日向。密(ボディーガード)はどうした?」
「・・・すぴー・・・」
 結人は、無邪気な顔して、寝息をたてている。
 寝言なのか、寝ながら猫たちと会話しているのか、ときどき、にゃーにゃー言っている。
 ぐっすり寝こけているようだ。
 しかも、制服の中にもぐりこんだ猫たちのせいで、きれいな肌を、あちこちあらわにされて。
 無防備すぎる寝姿だ。
 周りを見回しても、密の姿はなかった。
「・・・そして、お前らは、一斉威嚇か・・・」
 結人を取り囲む全ての猫が、毛を逆立てて、誠志を威嚇していた。
 結人は、自分たちの物だとでもいいたげなのか。
 誠志は煙草の煙を静かに吐くと、メガネの奥の眼光を、鋭く光らせた。
「この俺に、その態度はなんだ?」
 誠志VS猫。
 その対決は、一瞬だった。
「ニャ?!!」
 ぴゅー!!猫たちは、一斉に逃げ出した。
 誠志のただならぬオーラの、勝ち。
 さて、
「日向、帰るぞ」
「・・・むにゃむにゃ・・・にゃー・・・」
 呼びかけても、結人は、まったく起きない。
「まったく・・・」
 誠志は、煙草の煙とともに、深い深いため息をつくと、絶賛、幸せな夢の中の結人の横に座った。
「このままにしていくと、要がうるさいかなら」
 学校内とはいえ、結人を一人にすれば、襲われかねなかった。
 同じ男子学生たちや、教師もそうだが、その他のあらゆる男たちに、いつでも狙われているのが結人だ。
 そのためボディーガード密なのだが、迷子なのか、密はいなかった。
 迷子になったのは、密なのか、結人なのか。
 それか、あのマイペースすぎる密は、いまだに居なくなった結人に気付かず歩いている可能性すらある。
「あのガキは、あいかわらず使えないな・・・」
 密に苛立ちながらも、誠志は仕方なく、起きない結人のそばにいてやった。
 そっと、結人の幸せそうな睡眠のじゃまになりそうなタバコを、地面で消してやりながら。
 だが・・・、
「・・・がぶ!」
「っ?!」
 誠志の手首に、突然、強烈な痛みを感じが走った。
 結人が寝ぼけたまま、顔のすぐ横にあった誠志の手首にかみついていた。
 そのまま、あむあむしている。
 容赦ない結人のかみつきに、誠志の手首が悲鳴をあげ、制服が結人のよだれでべとべとになっていく。
 どうやら、何かを食べている夢を見ているようだ。
 結人は、それはもう、とっても幸せそうな顔をして笑っている。
 それを見つめる誠志の顔に、怒りが差し込んだ。
(・・・日向、後でこの礼は、たっぷりしてもらうからな)
 あんなことや、そんなことや、いえないほどのことを、結人が泣くまで、たっぷりと。
 怒りのままに、そんなエロなお仕置きを考えながら、それでも、誠志は結人を起こさなかった。
 それは、誠志なりの、結人に見せない隠れた優しさだろうか。
 誠志は、結人の寝顔を見つめた後、ぼんやりと空を眺めた。
 結人は、ずっと、誠志の手首を楽しそうに噛んでいる。


誠志のうっかりミス&ぼんやり&意外な一面 2

「・・・あれぇ?かがみせんぱいだぁ」
「日向、やっと起きたか・・・」
「はい、おはようございますです」
 芝生でいつの間にか爆睡していた結人だが、眼を覚ました時、目の前に誠志がいたことに驚いた。
 でも、まだ眠たい目をこすりながら見つけたものに、もっともっと驚いた。
「香守先輩の手、べとべと。それに、ボタンもとれかけてる?」
「・・・誰のせいだ」
 結人が、幸せな夢に任せて、誠志の手首も、シャツも、噛み続けたせいだというのに、
「おれ、つけてあげます!」
 誠志が止めるのも聞かずに、結人は笑顔いっぱいで、ぴゅーっと走って行った。
 かと思うと、たったったっと、走って帰ってきた。
 そして、
 ぶすっ!!
「っ?!」
 誠志の制服のボタンを付けようとして、誠志の腕まで、針をぶっさした。
「あれ?」
 結人が不思議そうに、声を出した。
 誠志はうっかりというか・・・忘れていた。
 結人は、けっこう、いや、かなり、おおざっぱだということを。
 料理を作らせれば、素材をそのまま切らずに大鍋に放り込むし、掃除をさせれば、物を破壊する。
「・・・日向・・・貴様・・・」
 腕に刺さった針を抜きながら、誠志が低い声で結人を呼んだが、結人は邪気のない笑顔で「はい!」と、にこにこ答えた。
 結人に悪気は、一切ないのだ。
 いつも、一生懸命すぎるだけで。
 いつも、いっぱいがんばろうとするから、やりすぎるだけで。
 その顔を見ながら、誠志はため息をついた。
 怒る気が失せたと。
 結人の笑顔は、ある意味、最強無敵。
「まったく・・・。行くぞ、日向」
 誠志は結人の手をつかみ、立たせると、歩き出した。
「あ、はーい」
 結人はおとなしく後ろを歩きだしたが、握られている手の温かさを感じ、突然、えへへと笑った。
「なんだ?」
「香守先輩って、時々やさしいですよね」
 誠志は結人と二人っきりの時、ごくたまにだが、やさしい時がある。
 結人はそれをうれしく思っていったのだが、自称気分屋の誠志の逆鱗を、今日は刺激したようだ。
 誠志がピタリと足を止め、結人を振り返った。
「ほお?優しくされたくないと言ってるのは、この口か?」
「え?え?え?」
 結人はいつの間にか、芝生の上に押し倒されていた。
 いつの間にか、服を脱がされていた。
「え?え?え?」
「日向、覚悟しろよ」
 その後、誠志をやさしいと言ったことを後悔させられることを、結人は、いーぱいされた。
 さっき、誠志が考えていた、あんなことや、そんなことを。
「ご、ごめんなさーい!」
 お昼の学校に、結人の悲鳴と、甲高い喘ぎ声が響いた。


誠志のうっかりミス&ぼんやり&意外な一面 3

おまけ☆


 生徒会室にいた結人は、密や泉介たちと話していたが、急に要に質問してきた。
「要さんって、香守先輩とつきあい長いんですよね?」
「ん?まあ、そうだな。子供のころからだしな」
「じゃあ、香守先輩の意外な一面とか、知ってますか?今、みんなで、香守先輩って隙がないなぁって話してて」
「んー。そーだなぁ」
 あの香守誠志の、意外な一面。
 かわいくて、大好きな結人の質問だ。
 結人が大満足できることを、教えてあげたい。
 親友誠志の恥が、世界中にばれようとも。
 ということで、要は少し考えたが、思いついたのか、明るく言い放った。
「あ、あった、あった!誠志ってああ見えて、絵を描かせると意外と、メ」
「要・・・、何を言おうとしている?」
 タイミングよく生徒会室のドアが開き、入ってきた誠志が、要の頭をつかみ、ギリッと力を入れた。
「いででで!誠志、頭がい骨割れる!」
「二度と口がきけないようにしてやろうか?」
「誠志、ギブギブ!」
 要が悲鳴を上げるのを見ながら、結人がきょとんとしながら、つぶやいた。
「め?」
 答えを求めるように、密と泉介を見たが、
「麺?」
「メロン?」
 それ以外の答えは、返ってこなかった。


 香守誠志の謎が、一つ増えた。
 絵が、メ・・・。