2015年12月28日

3月22日密お誕生日小説 1

3月22日は、朝霧密君のお誕生日です☆
なので、お祝い小説です\(⌒▽⌒)/


3月22日密お誕生日記念


「ねぇ、密。ほんとに、いいの?」
「なにがだ?」
「えっと、だって、今日は」
「結人が、困ってる。どうしてだ?」
 結人が、困ったような顔をして、密に聞いてきた。
 結人と密は、二人だけで、学校近くにある海辺に来ていた。
 そこで、砂の山を作って、両端からトンネルを掘っていた。
 今日は、密の誕生日だ。
 結人が、密の誕生日を祝いたいと、にこにこしながら言ったから、密は結人をここに連れてきた。
 高校生男子が、二人で砂遊び?と、普通だったら驚かれるだろうが、密は気にしないし、結人もこだわりがない。
 むしろ、結人は砂遊びが好きだ。
 だから密は、最善の選択をしたと思ったのに、結人がなんだか、困った顔をしている。
 結人が困ったら、密も困る。
 どうしてあげたらいいか、迷う。
 結人を笑顔にしてあげたいから、どうしようか、迷う。
「結人は、嫌なのか?」
「ううん。いやじゃないよ」
「なら、よかった。穴掘り続ける」
 密は、もくもくと、無表情のまま、トンネル堀りを再開した。
 二人は汚れるからと、3月の気温ではちょっと寒いが、制服のブレザーとネクタイを外して、シャツとズボンだけの姿だった。
 そのシャツとズボンも、汚れないように、まくっている。
 そこに、冷たい海風が吹いてくる。
 それに、ふと思い当たり、結人の困り顔は、それが原因なのかと、密は聞いてみた。
「結人、寒いのか?」
「え?ううん、ちがうよ。密はさむい?」
「いや。寒くない」
 聞いたら、結人は、寒くなかったと分かった。
 なら、なんだろう。
 困った。
 結人が困った顔をしているのは、やっぱり、困ったし、嫌だった。
 人の感情を読むのが、密は極端に苦手だった。
 兄代わりの要のようには、うまくできない。
 人付き合いは、苦手だ。
 それが、好きな子相手となると、初めてだから、もっとうまくできない。
 密も困り顔をしたら、無表情な中のそんな表情に結人が気付いて、
「あのね」
と、声を出した。
「だって、密。今日は密の誕生日だよ?プレゼント、これでいいの?」
 結人が砂の山を、小さくてかわいい指でさした。
 けど、密には、結人が何をダメだと思っているかが、わからなかった。
 前に、結人が寂しそうにしてた時に、要の突然の提案で、結人と要と泉介と一緒に、こうして砂山を作った時、結人はすごく楽しそうだったのに、今はそうじゃない。
 結人がよろこぶと思ってこうしたのに、違ったのかもしれない。
 あの時みたいに、デカイシャベルとかも持ってきた方がよかったのか。
 要とかがいたほうが、いいのだろうか。
 自分だけじゃ、嫌なのだろうか。
 困った。
 困った迷路に、どんどん入っていく。
 結人に、笑ってほしいのに。
 結人の笑顔がみたいのに。


3月22日密お誕生日小説 2

「俺は、結人が喜ぶことがしたい」
「え?え?密の誕生日だよ?おれのじゃないよ」
「俺は、結人が喜ぶ顔を見るのが、一番うれしい」
「・・・え?」
「それをもらえたら、それでいい」
「・・・ひそか・・・」
 結人が呟いた時、砂山のトンネルが、開通した。
 指先が触れ合ったので、密はそのまま、砂のトンネルの中で、結人の小さな手を握った。
 ぎゅっと。
「・・・ひ・・・ひそ・・・か・・・・」
「なんだ?」
「・・・い・・・たい・・・」
 結人の大きな瞳に、涙がうっすらと、浮かんでいた。
 強く握りしめすぎたようだ。
 密は一度、結人の手を離して、今度は、指を絡めるようにつないだ。
 恋人握りだと、前に泉介が教えてくれた。
 思い出したから、そうしてみた。
 結人が好きだから、そうしてみた。
 そして、少し顔を赤くしている結人を、じーっと見つめた。
 人が見たら、無表情で、ちょっと怖いと思える密の直視。
 でも、無表情だけど、結人はそんな密の無表情の中の感情を、見つけてくれる。
 それが、いつからか、密の中で、とてもうれしいと感じるようになっていた。
「結人は、今日は、俺といてくれるか?」
「えっと・・・ね・・・」
「いてくれないのか?」
「・・・・・・・う、ううん・・・・。いる・・・・」
 結人がうつむいて、恥ずかしそうにしながらも、そういってくれた。
 つないだ手も、離さないでくれた。
 だから、密は自然に言えた。
「俺は結人が好きだ。だから、うれしい」

 密にとって、楽しい誕生日になった。