2015年12月30日

去年の学園祭は秘密だらけ 4

『去年の学園祭 副会長がしていたこと編』


 去年の学園祭で、会長は女装した。
 では、去年の学園祭で、副会長は何をしていたのか?


「日向、お前は要みたいに、手抜きはするなよ」
 そう言って、誠志は、もう二枚、写真を取り出してきた。
 女装した要が、誠志に豪快に堂々とスカートをめくられている姿と、なにやら、トロフィーを渡されて、要が激しく落ち込んでいる姿だった。
『要、下着は、いつも通りなのか』
『めくんな、てめぇ!お前はオレに、もう少し遠慮しろ!だいたい、見えないところまでやって、誰得なんだよ』
 そんなことをやっていたら、学園祭で、要と誠志が、『明徳学園ベストカップル』に選ばれてしまった。
 男子校なのに。
 相棒との間には、友情以外ないのに。
 結人に誤解されたら、どうしよう・・・。
 要と誠志の仲の良さは、何かの可能性を秘めていると、陰で噂されている。
 要の黒歴史の一つだった。
 結人は、さすがにこれ以上、要の女装について聞いたら悪いかなと思って、別のことを聞いてみた。
 写真の中の誠志(要のスカートをめくっている)が、黒いスーツっぽい服を着ていた。
「香守先輩も、なにかしたんですか?」
 シレッとしている誠志に代わって、要が結人の頭をなでながら、答えてくれた。
 暴露大会は、今度は要がするらしい。
「これ、執事服。第2の提案で、第1と第2生徒会合同で、執事喫茶やったの。・・・オレが、悪のわがままお嬢様設定にされたけど・・・」
 要同様にコスプレさせて、第2生徒会が副会長をおとしめて笑ってやろうとしたのだが、誠志は堕ちるどころか、輝きを増した。
 誠志は、普段は出さない、大女優の息子オーラをいかんなく発揮して見せて、高身長を活かし、執事服を着こなして見せた。
 誠志も、要とはるぐらい、負けず嫌いだ。
 プライドの高さは、要以上だ。
 思惑通りに、笑い者になる気など、さらさらない。
「働かない、威圧たっぷりの偉そうな執事だったけどな。その割には、客寄せになってたな。誠志の下僕がはしゃいでたし、増えてたし」
「そうなんですね。へぇー。香守先輩、すごい、にあってます。かっこいいです」
 結人のむじゃきな言葉が、要の心をえぐった。
 女装に、かっこいいの単語は、ついてこない。
 結人の言葉は、素直さ故に、時に痛烈・・・。