2016年01月07日

要がお酒を飲むとどうなる? 7

 誠志が、要を鋭い目で、睨み付けていた。
 生徒会副会長・・・別名、鬼畜メガネ男が。
 破壊系能力を、制御できなくなって、生徒会室を破壊している要を、視線で殺すかのように。
「ハッ!!」
 酔っ払い要が、何かの殺気を、強烈に感じた。
 そして、その方向に、こぶしを振り上げた。
「オラァ!!さっきのムシ、見つけたぜ!!」
 要は、虫と戦っていた。
 誠志のお怒りなど、いつものことなので、要は気にもしない。
 人を凍りつかせる、誠志の殺気のこもった瞳も、かわいく思える。
 それより、今は、目の前の虫。
 でも、虫は、この場の誰よりも野生のカンを持っていたのか、瞬時に要から逃げていた。
「チッ!逃がしたか・・・。ん?」
 要は、自分のこぶしをぶつけた場所を見直して、絶叫した。
「ああああああ!!オレの、ミソが!!」
 生徒会室に要が勝手に置いた、インスタントラーメンが大量に保管されたロッカーが、木っ端みじんに砕けていた。
 もちろん、中の、要のみそ味も・・・。
 にんにくしょうゆ派の結人と、いっしょに食べようと思っていたのに。
 結人なら、キスの時、そのかわいいお口から、にんにくの臭いがしても、それすらかわいく思えるのに。
 ミソとにんにくを、口の中で、絡めあうのに。
 その夢が、木っ端みじん・・・。
「ひどい・・・、誰がこんなことを・・・」
 要の瞳が、ウルウルしだした。
 かと思ったら、泣かない男のはずの要が、目から滝のように、涙を流しだした。
「ひどいぜ!誠志!オレのミソ達を、こんな目にあわせるなんて!!」
 要の中で、なぜか犯人は、誠志になっていた。
「・・・いい加減にしろよ・・・」
 誠志が青筋を立てて、低く声を出した。
 いまだ、要の暴走した力で破壊される生徒会室の中、結人にがれきがぶつからないように、結人におおいかぶさっていた密の下から、誠志は結人を、引きづり出した。
「へ?」
 びっくりしている結人の首根っこを、猫つかみすると、誰もいない隅っこに、放り投げた。
「わあ!」
「結人!」
 結人が床に尻もちつく前に、要が結人を、スライディングキャッチした。
「こーらー、誠志!結人、投げんな!!」
「力の暴走は、収まった様だな」
「んん?」
 イライラしている誠志がいうように、変な声をだす要から、破壊系能力の暴走噴出は止まっていた。
 結人を傷つけたくない想いが、力の制御を、取り戻させたようだ。
「ゆーいと。オレ、力を鎮められたぜ。ほめてほめて」
 なぜか、誠志の手柄じゃなくて、結人を抱っこしている要がやったことになっていた。
 しかも、犬っころのように、結人にすり寄っていた。
「要さんが、犬さんみたいだ」
「ワンワン!」
 飼い主に、シッポをふりふりして、ほめてもらいたがっている犬のような感じだった。
 要は、結人の顔を、ペロペロ舐めている。
 他のみんなに、実は精神的には、要が犬で、結人がまさかの飼い主なのか?と、疑問を抱かせる張本人は、さらに、きょとん顔の結人に、要求を出し始めた。

要がお酒を飲むとどうなる? 8

 犬になった要が、ニコニコデレデレしながら、ぎゅっと抱っこした結人に、お願いを始めた。
「ゆーいと」
「えと、はい、なんですか、要さん?」
「オレの頭、なでて!」
「あ、はい。えっと、こうですか?」
「うん!もうちょい、右もー」
「はい。なでなで」
「左もー」
「えっと、ここかな」
 目を細めて、うれしそうに笑う要は、まさに、犬だった。
 ご主人様に、甘えていた。
 なのに、
「結人、うれしいな。だからね」
「はい?」
「オレと、やろうぜ!」
「わ!」
 結人はまた、要に押し倒されていた。
「ま、また、要さんが、変わったー!」
「オレの結人への愛は、変わらないぜ!永遠で、無限だ!」
 結人に、また、ちゅっちゅっと、要がキスの嵐を始めた。
 攻めモード開放。
 最初の状態に、ふりだし。
 せっかく着込んだ制服も、また、脱がされ始める。
 たっぷり、優しく、甘く、愛撫されながら。
 そんな、不思議なほのぼのイチャイチャ攻め攻め光景に、誠志は呆れながら、やっと巡ってきたチャンスと、きびすを返した。
「日向は、そのまま、要と遊んでいろ」
「え?え?香守先輩は?」
「お前をエサに、消えさせてもらう」
「ええ!!」
 押し倒されて、キスされながら驚く結人を放置して、誠志は生徒会室を出て行こうとした。
 その後を、密と泉介も、歩き出した。
「ひ、密たちも、にげるのー?!」
「要が、うれしそうだ。要は結人と遊びたい。だから、俺は行く」
「結人ぉ、かんにんや。今日の会長はんは、あかんで」
「そんなぁ・・・」
 結人の嘆きもむなしく、誠志たちが生徒会室のドアに、手をかけた。
 その瞬間、
「オラァァァァ!!」
 いつの間にここまで来たのか、要が盛大に回し蹴りをぶちかまして、開きかけたドアをムリヤリ閉めた。
「どーこ行くんだよ?お前ら」
 要が、仁王立ちで、3人の前に立ちはだかった。
「オレの大事で、大好きなヤツラが集まってるってのに、オレのパラダイスなのに・・・・・・逃がすかよ」
 長めに伸ばした前髪からのぞく、要の鋭い眼光。
 すさまじい闘気を放つ、オーラ。
 要は、最強最悪無敵不敵な攻め攻めツンツン王様モードに、入っていた。
 王様のハーレムから、誰一人逃がす気はない。
「もっと、オレと・・・遊ぼうぜぇ?」
 ニヤァッと、要が口の端をあげて、フフフと笑った。
「仕方ないな・・・」
 誠志がメガネの中心を押しあげながら、そう呟いた。
 諦めるためではなく、要を倒すために。
「おい、密、泉介。要の好き勝手にされて、受けになりたくなかったら、やるぞ」
「要に勝てるのか?」
「副会長はん!会長はんの殺気、恐ろしいで!」
「要は、暴れて、酒がまわれば、大人しくなる。それまで・・・耐えろ」
 ヒョォォォっと音がしそうなほど、圧倒的なオーラを放つ要の前に、誠志・密・泉介が複雑そうに立った。
「あれー?オレの大好きなヤツラが、オレと遊んでくれるみたいだな?うっれしいな☆ほんじゃ、全力で、楽しませてもらおうか!!」
 要のこぶしが、壁を打ち砕いた。
 とっても、とぉーっても、楽しそうに。
 同時に、脱がし魔&攻め男の血を、熱く熱く、たぎらせながら。

 生徒会メンバーの初めての、共闘は、悪の生徒会長を倒すだったとか・・・。

 そして、激しい王様ツンモードの後に、反動のようにおとずれた、激甘デレっ子モードも、とてもとても、口では表せないほどに、恐ろしかったとか・・・。


「むにゃむにゃ~。ゆーいと、すきー」
 要が、床に寝そべって、幸せそうな寝言を発した。
 破壊しつくされた生徒会室の真ん中で、愛を叫んでいた。
 疲れ果て、ボロボロにされ、要に脱がされ、色々と、攻めキャラ男としては言えないようなことで、要にたっぷり楽しまれた生徒会メンバーに、囲まれながら。
 ようは、暴れて、酔って、寝たのだ。要は。
 これが、酔っ払い要を鎮める、唯一の方法。
 酔っ払い要から、貞操を守る最後の手段。
 それは、壮絶な戦いだった・・・。


 これが、生徒会メンバーが、要にもう二度と、酒を飲ませたくないと思った日の出来事。

 そして、九条要、暴走行為の為、1か月禁酒生活スタートの日ともなった。


結論
 九条要は酔うと・・・
  普段抑えこんでいる、色々な属性が解放される。
  やりたくなる。(脱がす。キスする。その他色々)
  総攻めになる。
  とりあえず、やっかい。


そんな九条要君と、飲んでみたい勇者さまは、挙手お願いします☆


※この続きではないですが、
 お酒入り要のエチが、深淵の『王様と奴隷』にあります( ^◇^)ゞ
 誠志×要です。