2016年01月08日

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 1

前回、リクエストで書いた
『みんなの携帯事情』を読んでから、読んでいただくと、
より分かりやすいかもですが、
これだけ読んでも、分かるようになってます♪( ̄▽ ̄)ノ"

つまり、結人の携帯電話についてのお話です☆


『結人君、いろいろまちがってます(携帯編)』


 結人は、携帯の操作が、とっても、とっても、苦手です。
 というか、機械類すべて、意味不明な存在です。
 説明書見た瞬間、結人は、フリーズします。


 そんな結人が、寮の部屋のベッドの上に座って、片手で枕を抱っこしながら、要に携帯で電話をかけてみた。
 要にいわれていた、
「今日の晩御飯、何が食べたいか、考えててね☆」
を、決めたから。
「要さん、要さん、あのね。おれ、今日のごはん、ハンバーグがいいです」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「あれ?要さん?だまってる・・・。ハンバーグ・・・いやでしたか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「お、おれ、なんでもいいです!要さんの好きなものでいいです。いつも、ハンバーグっていってごめんなさい・・・」
 黙っている要に、結人が慌てて言葉を探していると、携帯電話から、とても冷たく低い声が聞こえてきた。
「日向・・・、お前は何回、俺と要の番号を、間違える気だ」
「・・・へ?」
「俺は、『香守誠志』だ。お前に激甘『要さん』と、甘くない『香守先輩』の登録名を変えろ。同じカ行に入れるな」
「え?え?え?」
「今度間違えたら、犯すからな」
「ご、ごめんなさい!!」
 結人は体を、ビクンと跳ねさせて、大慌てで、電話を切った。
 結人の携帯電話のアドレス帳には、登録人数の少なさの為か、『香守先輩』と『要さん』が上下に並んでいる。
 それを、いつも、押し間違える・・・。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 2

「おれ、また、まちがえた。おれって、ばかだなぁ。・・・学習しない」
 はぁとため息をつきながら、今度は、別の人に電話をかけてみた。
 まちがわないように、名前を確認してから。
「あ、密。おれね、また、電話相手を間違えたよ・・・。香守先輩に・・・お、犯すっていわれた・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
 今度は、密が黙っていた。
 でも、密はよく黙るので、気にしない。
 密は、電話なのに、黙ったまま、電話の向こうでうなずいたりする。
「でね、密が前にいってた、密だけにおしえてほしいことって、思いついたから」
「結人、あのね」
 密らしくない、優しくて穏やかな、甘い声が聞こえてきた。
「ん?」
「オレは『要さん』だよ。『要』と『密』を、また間違えたのかな?」
「え・・・?」
「そんなに、名前が似てるかなぁ?大好きな結人の声が聞けるなら、間違い電話、大歓迎だけど、他の男との秘密ごとを話されるのは、ちょっと嫉妬しちゃうかな。なんてね」
「ええ?!」
 結人は驚きながらも、またやってしまったと、落ち込んだ。
 同じ一文字だし、なんだか、ジッと見ていると同じに見えてくる、『要』と『密』の文字。
 間違い電話を、いつもかけまくってしまっている。
「ごめんなさい!!」
 結人は急いで、ボタンを押して、電話を切った。

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 3

「おれ、なんの説明もしないで、きっちゃった。もう一度、かけよう」
 要に間違い電話したのに、勝手に切ってしまったので、あやまろうと思って、要にもう一度、電話をかけた。
 今度は、密とまちがわないように、アドレス帳からかけてみた。
「要さん、ごめんなさい!おれ、また、密とまちがえてかけて」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「要さん、怒ってますか・・・?そうですよね、要さん、忙しいのに・・・。ごめんなさい・・・。おれ、もう電話かけないようにするから」
 要と電話できなくなるのは、すごくさみしいけど、忙しい人のじゃまにならないように、浮かんできた涙をこらえながら、結人がそういうと、電話口から、びっくりする声が聞こえてきた。
「要に電話をかけないようにするのかい?それはそれは、要が泣くだろうね。実に滑稽で、笑えるね。ぜひ、そうしてくれたまえ、日向君」
「・・・・・・・り・・・・・じ・・・・ちょう・・・・・」
 結人の血が、さーっと引くのを感じた。
 もう一人、忘れがちだが、かのつく人がいたことを、思い出した。
 結人の携帯アドレスのカ行は、『香守先輩』『要さん』『神無理事長』と並んでいる。
 普段は、理事長とだけ呼んでいるので、名前をすぐ忘れるのだ。
「すみません!!まちがえました!!」
 結人は、大慌てで、携帯の『切』ボタンを連打した。