2016年01月15日

要と結人の交換日記 1

読者様から、結人との交換日記が見たいとの声を
頂いたので、要×結人で書いてみました♪( ̄▽ ̄)ノ"

本編と違って、平和で、甘ーい世界をどうぞwww


『要と結人の交換日記』

「んー。交換日記かぁ。書いたことないな」
 要は、生徒会室の自分専用机で、仕事をさぼって、日記帳を広げていた。
 結人と、交換日記をすることになった。
 結人とラブラブできるなら、恋愛ごっこでも、真似事でも、なんでもいい!
 例え、なんか女子っぽくったって、相手が結人なら何でも受け入れる!
 仕事なんか後回し!
 徹夜仕事になる?今日も寝れない?そんなことどうでもいい!
 オレの最優先事項は、いつでも結人だ!
 結人の笑顔が見れるなら、オレの体とか二の次だ!
 結人は、オレの宝物だ。
 癒しだ。
 守りたい。
 助けたい。
 甘やかしたい。
 優しくしたい。
 かわいがりたい。
 なんでもしてあげるからね、結人!
 という理論展開の元、結人が喜ぶように、結人の好きなネコ柄の日記帳をインターネットで買って、いざ書こうとしてみたが、これが意外に悩む。
 九条家の後継者という立場から、まっとうに、真剣に恋愛をしてこなかったせいなのか、普通がよくわからない。
 というか、今時、交換日記ってするのかな?
 ネット社会の今だから、あえてするものなのかな?
 ネットで調べても、うまい書き方は、載っていなかった。
 要の頭脳は、普通っぽい恋愛ごとには、あんまり働かないようだ。
「手紙・・・とも違うよな。日記だから、その日の出来事とか書くのか?うーん、でも、オレの日常とか、仕事してるか、悪事働いてるかだからなぁ。あんまり、結人に教えたくないし、結人には、そういうこと、関わらせたくないしなぁ。結人がまた、心配するし」
 なんだか、独り言が多くなってきた。
 背後から、誠志の冷たい視線を感じる。
 ま、気にしないけど。
 とはいえ、らちが明かないので、書き出してみることにした。
「ようは、普段、口で言えないようなことを、文字にするって感じでいいんだよな。うーんと、この漢字とか、結人は読めるかな?」

要と結人の交換日記 2

「ゆーいと、みっけ」
「あ、要さんだ。どうしたんですか?」
 結人の教室である1-A組に来た要は、結人を後ろから、ぎゅうっと胸の中に抱きしめた。
 教室には当然、他の学生たちもいるけど、要は気にしない。
 学生たちが、あの『九条要だ』『九条会長だ』と、色んな意味でざわついているが、いまさらどうでもいい。
 学生たちの敵意とか、噂話とか、もう聞き飽きた。
 結人がいてくれるなら、何も怖くない。
 それだけで、強くいられる。
 結人がいるだけで、幸せだ。
「はい。交換日記できたよ。返事は急がなくていいからね」
 笑顔を向けたら、結人も笑ってくれた。
 うん、やっぱり、どっぷり、オレって幸せ。
「はい。おれも、がんばってかきますね」
「うん。ありがとう」
 結人の頭を、優しくなでなでしてから、要は教室を後にした。
 かわいいおでこにキスもしたかったけど、結人が変な目で見られたらいけないので、そこまでするのは、我慢我慢。
 残された結人は、いっしょうけんめい両手をぱたぱたさせて、手を振って要を見送った。
 それから、ネコさんノートに、ボールペンで書かれた、要のきれいな文字を読んでみた。
 ひらがなが多くて、子猫のイラストも描いてあって、読みやすかった。
 けど!
「・・・はわ・・・あわ・・・わわ・・・!!」
 結人の顔は、炎上した。
 頭から、煙が、ぼすっとふき出した。
 そこには、要からの、愛と甘さの限りを尽くした文章が、書かれていた。
 普段から、とことん優しくて、結人にだけ激甘なことを言っている上に、結人の前では口調まで変わる要が、『普段、口で言えないようなことを、文字にするって感じでいいんだよな』の理論で書くと、甘さが際限なく増すのだ。
 こんな感じで・・・。
『仕事を終わらせてから、今、結人との交換日記をかいてるよ。
 結人、なにか、困ったことはないかな?
 オレは、いつでも結人の味方だよ。
 結人だけは、なにがあっても、どんなものからも、守るからね。
 だから、いつでも言ってね。
 口でいいづらかったら、これにかいてもいいよ。
 こうやって、はなれて、結人を思いながらかいてると、さびしいような、うれしいような気持ちになるんだ。
 結人は今頃、オレのいないところで、どうしてるかなって思うし、でも、こうやってつながっているんだなって感じる』
 結人の頭の中に、要の甘くて優しいささやき声が、ぐるぐるまわっていく。
 でも、これは、入り口に過ぎなかった。
 その後も続くというか、激しく増していく甘い言葉のオンパレードを、顔を赤くして、必死に読んでいたら、不審に思った密に、声をかけられた。
「結人、どうしたんだ?」
「な、な、な、なんでもないよ!!」
「でも、結人が真っ赤だ」
「な、な、な、な、なんでもないって!!」
「結人がリンゴになった。真っ赤でかわいい」
「密まで、いわないでー!!」
 結人は、わけがわからなくなって、とりあえず、走って逃げた。

要と結人の交換日記 3

「か、かなめさん、おれも、その、かきました」
「お、結人、早かったね。ありがと」
 生徒会室の入口で、結人は恥ずかしそうに、要に交換日記を手渡すと、
「そ、それじゃあ、お、おれ、行きます」
 ひゃーっと声を出しながら、結人は、置き逃げするように走って行った。
 ちゃんと、きれいな字で書けた自信も、しっかりとした文章を書けた自信もなくて、恥ずかしかった。
「結人?・・・逃げちゃった」
 結人がいなくなった後を、なんとなく見つめていたけど、結人が完全に見えなくなってから、要は、日記帳を開いてみた。
 結人は脚がかなり遅いので、長い廊下から消えるまで、時間かかったけど。
 逃げる結人の小さな体も、かわいいから、見てて楽しいし。
 さて、交換日記に、結人は何を書いたのかな?
「結人の字、あいかわらず、丸っこくてかわいい」
 結人は、あんまり字がうまくない。
 というか、子供っぽい字なのだ。
 書き順とか理解せず、子供が手本の字を真似て書いた時のような感じ。
 でも、要の欲目には、そのたどたどしさが、一生懸命で、かわいいにしか見えない。
 そんな結人の日記は、結人にあわせてひらがなを多用した要以上に、ひらがなが多くて、さらにかわいかった。
 結人の似顔絵なのか、子ネコのイラストが笑ってる。
『きょうは、密といっしょに、ねこさんと遊びました。
 黒ねこです。あ、泉介もきました。
 おれ、なにをかいたらいいか、わからないけど、要さんがいつもおれのこと、
 考えて、思ってくれてるのは、わかりました。
 すごく、うれしかったです。いつも、ありがとうです』
 1ページ使って書いた要の日記と違って、結人は5行だった。
 でも、そんな結人を、要は怒ったりせず、生徒会室のドアにもたれかかって、くすっと微笑んだ。
 結人の一生懸命さを、要は知っているから。
 どんなに短くても、これを書くのに、必死になってくれたことは、伝わってきたから。
 結人の文字の下には、消しゴムで消されているけど、なんども書き直したあとが残っていた。
 どうしたら、気持ちを伝えられるか?
 どうしたら、相手をよろこばせてあげられるか?
 いっぱい考えて、消して、考えて、消してを、繰り返してくれたのだろう。
 結人は、そういうことに使う労力を、いとわない。
 つらいとも思わない。
 普通だと思って、ただただ、まっすぐにがんばる子なのだ。
 普通のことだから、どれだけ大変だったかを、相手に伝えたりもしない。
 そして、その大変さに、見返りを求めてこない。
 九条家なら、何だって、叶えてあげられるのに。
「こういうことを、計算でできない子だから、オレって幸せなんだよな」
 心が温かくなっていくのを、止められなかった。
「さってと、次はなに書こうかな」
 結人の負担にはなりたくなかったけど、結人に伝えたい気持ちは、まだまだ、いっぱいあった。
 どれだけ、結人がいい子で、どれだけ、そんな結人に癒されてて、どれだけ、そんな結人が大好きか、書ききれないくらい心の中にある。
 交換日記っていいかもと、一人、にやけるのを止められなかった。

『結人を好きになれて、オレは幸せだよ』
『結人と出会えて、オレはうれしいんだ』

 どっちの言葉から、書き始めようか。
 ただ、それだけでいい。
 結人に、その見返りを求める言葉は、書きたくない。
 それ以上望んで、追い詰めたり怖がらせたりしないって、思っている気持ちが伝わればいいな。
 書きすぎて、結人を困らせたりしないように気をつけながら、でも、喜んでくれるように、また笑ってくれるように、たくさん考えて、書くからね。

「オレは、いつでも、それだけを想っているよ」