2016年01月16日

結人総受けBLゲーム(プレイ編) 7

神無理事長の場合 ~選択攻めキャラ 朝霧密~


 普段は、あまり絡みのない密という人物。
「ふむ。コレしか残っていないとは。私を満足させられるかね」
 神無理事長は、仕方なく、ゲームを始めてみた。
 そして、止まった。

『1 ・・・・・・・・・・・・・・・』
『2 ・・・・・・・・・・・・・・』
『3 ・・・・・・・・・・・・・・』

 意味不明な、密の選択肢に。
「これは、どういうことかね?」
 無言でつづられる、密キャラの選択肢を理解するのは、かなりの至難の技だった。
 そんなゲーム画面を、背後から、要と結人がのぞいていた。
「理事長。テメェは、そんな簡単なことも分からないのかよ。3だろ?な?ゆーいと」
「あ、はい。おれも、3だと思います」
 密の無表情の中の表情は、要と結人しか、理解できない。
 そんなムリゲー、神無理事長は、さっさと見切りをつけた。
 なにより、神無理事長にとっての受けキャラ二人が、リアルですぐ後ろにそろったのだから・・・。
 神無理事長が、極悪な裏の顔で、冷たく笑った。
 神無理事長は、ゲームなんかより、生の感覚を求める。

 そして始まる、リアルゲーム・・・。

結人総受けBLゲーム(プレイ編) 8

日向結人もやってみた ~攻めキャラ選択 ○○~


「結人が、結人を攻略してる?」
 結人が、ゲーム画面を必死に見つめながら、ときどき、よろこんだり、しょんぼりしたりしていた。
 機械にうとくても、一生懸命に、ゲームを進めているようだ。
 そんな様子を、みんなが後ろから、ハラハラしながら見つめていた。
「結人は、誰を自分の攻めに選んだんだ?」
 それが、かなり気になりながら。

 やがて、結人が大きく息を吐いて、体の力を抜いた。
 ゲームを、クリアーしたようだ。
「はぁー。おわったぁ」
「結人、クリアーできたの?」
「あ、はい!おれ、がんばりました!」
「よ、よかったね」
「はい!おれ、幸せになれました!あ、ゲームの中の結人がです」
 結人が幸せになった?!
 結人を囲むみんなの中に、大きな疑問が浮かんだ。
 結人は誰に、幸せにしてもらったんだ?と。
 結人が、最高に、にこにこしている。
 この笑顔は、誰のものだ?と。
 結人は、誰に攻めキャラになってほしいと願ったのか?と。
「そう。よかったね。それで、結人は、誰に幸せにしてもらったのかな?」
「お父さんです!」
「・・・・・・・お父さん?」
「はい!家族になりました!」

 このゲームは、全てのキャラと全てのエンディングを迎えると、隠しキャラの結人のお父さんが、選択可能になる。

 結人は、男キャラの中で、お父さんが一番好き。
 最大のライバル、登場である。

結人総受けBLゲーム(プレイ編) 9

誰も知らない裏ルート(攻略者 要&誠志)


 生徒会室の自分専用パソコンを操作している誠志に、要は声をかけた。
「なに?お前、また、どっかに侵入してんの?」
 誠志のパソコン画面を見てみれば、どうやら、ハッキング最中のようだった。
 見慣れた光景になってしまったので、それについて、要はどうこう言う気もなかったし、というか、ハッキングを頼むこともあるので、特に追及はしなかった。
 誠志も、いっさい、悪びれている様子はなかった。
「ああ。例の日向を攻略するゲーム作った会社にな。ちょっと、気になることがあったんだが」
 ありえない速度で表示され続ける数字の羅列に、動じることなく誠志は画面をおっていたが、どうやら目的のものを見つけたようだった。
「ふん、なるほどな」
「なんだよ?何か、あくどい会社なのかよ?」
 要が、誠志の肩に手を置いて、画面を後ろから覗き込んだ。
 結人が関わっているのに、何か裏があるのなら、放置はできないが。
 だが、そうではないようだ。
「日向は問題ないな。問題なのは、お前だ、要」
「は?なんで、オレなんだよ?」
「公式ホームページにも、どこにも公開されていない内容のようだが、あのゲーム、どこかの分岐ポイントから、お前の攻略に入れるらしい」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「お前の受けを見たい派は、意外に多いからな。探してみれば、案の定だ。システムに組み込んでいるのに、なぜ公表していないのかは謎だが、どうやら『神無理事長』ルートと『香守誠志』ルートにあるみたいだな」
「はぁ?なんだよ、それ?・・・認めたくねぇけど、『神無理事長』ルートは分からなくもない。・・・ぜってぇに認めねぇけどな。で、なんでお前のルートに、オレがいんだよ?」
「それも、『見たい』派が多いからだろうな」
「なんだよ、それ?・・・ったく。お前がオレを、犯すとか、ヤるとか、付き合っていたとか、ヤる気もないのに、よくウソ言ってるからだ。誠志、さっさと、見つけるぞ!」
 要はPSKゲーム機本体を誠志に放り投げ、机の上に不機嫌オーラだだもれで座ると、もう一台のPSKゲーム機本体を起動させた。
 そうして、二人で『要』攻略ルートへ分岐ポイントを探すこと、30分・・・。
 要と誠志は、見つけた・・・。
 要は、神無理事長キャラに、要受けルートを。
 誠志は、誠志キャラに、要受けルートを。
「あった。そういうことか・・・。結人をめっちゃ酷く調教してたら、オレが結人を助けるために出てくるシナリオに入るみたいだ・・・。結人を助ける代わりに、オレがってことか」
「こっちもあったな。過去編で、お前を無理やりヤってたら、切り替わるみたいだな」
「うわ・・・、選択肢、ひどすぎ・・・。オレが理事長に、『もっと・・・』とか言うかよ!って、おい。そっち選んだらいきなり、バッドエンドむかえるってどういうことだよ?オレが従順になったら、飽きてポイ捨てって、これだから凌辱好きは、嫌いなんだよ!愛のない奴は滅びろ!」
「『香守誠志』シナリオも、『神無理事長』シナリオも、お前を、無理矢理犯すエロだけみたいだな。シナリオ進行の為の選択肢より、お前をどうヤるかの選択肢ばかりだな」
「ムカツクなぁ。ああ、くそっ!また、バッドエンドだ!いい加減にしろ!死滅しろ!世界平和のために、今すぐに!」
 要がさんざん文句を言いながら、誠志が淡々と解析しながら、二人はゲームを進め、エンディングを、それぞれむかえた。
「オレが、めっちゃ、かわいそうになったんだけど。ボロボロで、びちょ濡れじゃねぇかよ。・・・ったく、すげぇ気分悪い」
 それが、美麗イラストで、細部まで描かれている。
 濃厚なセックスシーンも、しかりだった。
「・・・ったく」
 ゲーム機を放り投げた要を、誠志は瞳の端で見ていたが、ゲーム機に視線を戻してから、切り出した。
「ゲーム会社へのハッキングは成功しているからな、トラブルを起こして、自主回収に持ち込むことはできるが?」
「ん?」
「どうしたいかの判断は、自分で決めろ。どうせお前は、俺の言うことなんか聞かないからな」
「んー」
 机の上に座ったまま、椅子を足裏で押していた要は、興味なさそうに、断りの言葉を口にした。
「別にいいさ。結人がこの間、このゲームして、死んだ父親と会えて、うれしそうにしてたからな。結人が笑顔になれるものを、取り上げる気はないからさ」
 あれ以来、結人は何度も、結人のお父さんとの会話のゲームを楽しんでいる。
 内容は、ただの家族ごっこで、BLゲームの趣旨と、かなり外れているが、結人がすごくうれしそうなのだ。
 だからいいといっている要に、誠志が言葉を発した。
「なるほどな。要、お前はまた、自分のことは捨てる気か」
「・・・オレにはさ、自分が幸せになるヴィジョンは、見えねぇよ。結人を助けてやれてない現状で、そんなのは望まない。それだけ」
 要は、体の向きは変えず、瞳の端だけで誠志を見た。
 誠志は興味なさげに、ゲーム機に視線を落としたままだったが、要の様子をうかがってくれていることは、なんとなく、長年の付き合いでわかった。
「オレは平気だからさ、あんま、心配すんなよな」
「心配したつもりはないが」
「素直じゃないねぇ。・・・報復したところで、幸せになれるわけじゃない。報復は、別の恨みを作るだけだ」
 そう、静かに言った直後、「ただな」と言って、要は意味ありげに、にやぁっと笑った。
「幸せになるつもりがないオレは、恨みの百個や二百個買うのって、今更、どうってことないんだよな。自主回収より過激で、でも、結人の笑顔は守れるいい方法思いついちゃったんだけど、誠志、お前も付き合う?」
「お前の、そのあくどい顔を、日向に見せてやったらどうだ」
「やーだ♪オレってば、結人のお父さん代わりだもん。結人のお父さんは、誠実でいい人じゃないと」
「まったく、猫かぶり男が」
「にゃんにゃん♪ってね。オレ、猫好きだぜ。結人みたいで」
「変な声を出すな。気味が悪い。・・・いいだろう。暇つぶし程度には付き合ってやる」
「オッケー。じゃあ、行くぜ、相棒」