2016年01月08日

結人君いろいろまちがってます(携帯編) 7

「どうして・・・似た名前ばっかりなんだよ・・・」
 結人は、ベッドの上で、撃沈した。
 ベッドに、力なく倒れた。
 それでも、最後の力をふりしぼって、『朝霧密』の登録名を『密』に戻した。
 これで、気をつければ、間違わないはずだ。
「要さんは『要さん』。密は『密』。字が似てるけど、要さんには、『さん』がついてる。カ行とハ行だし。うん、だいじょうぶ」
 ほとんど、自己暗示的につぶやきながら、密にさっきの間違いをあやまろうと、結人は密に電話をかけてみた。
「密は『密』。ハ行。大丈夫。まちがえてない」
 よし!と思っていると、部屋の中から、突然、音楽が聞こえてきて、結人はビクッとなりながら、ベッドの上で、跳ね起きた。
 そして、音の発信源を探して、激しく落ち込んだ。
 鳴っているのは、机の上に置きっぱなしだった、結人のもう一つの、携帯電話だった。
『日向結人』で登録している、携帯電話の。
『密』と『日向結人』は、同じ『ひ』で、上下に並んでいた。
 結人の顔に、いやな汗が、だらだらと流れてきた。
「お・・・おれは、どうしたらいいのー!」

 結人の間違い電話が終わる日は、こないようだ。
posted by ちぃ at 23:10
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